「にわか」の部類ではありますがはやぶさ帰還に感動してしまい、本屋で平積みになっていたものを
思わず手に取りあっという間に読了。
初版出版は2006年11月。イトカワ接触後、音信普通になりその後回復、帰路に着いた頃です。
 
度重なるトラブルで満身創痍になりながらもその都度復活し、
数々の「世界初」の成果を挙げ続け、とうとうカプセルを地球に送り届ける事に成功。
自身は最後に地球方向にカメラを向け、故郷の姿をその目に焼き付けるかのように
地球の写真を撮影後、大気圏突入で燃え尽き「星」になる。
ああ、涙腺が壊れる。
 
この本は書かれた時期からも明らかですが、そういった内容ではありません。
 
はやぶさ以前、日本の宇宙開発が限られた(言ってしまえば劣悪な)条件下、
独自の方向性で数多くの世界一の成果を挙げてきた事が紹介されています。
はやぶさの成功は決して今回だけのファインプレイではなくて
50年前のペンシルロケットの時から綿々と積み重ねてきた
宇宙研の手法の勝利だということが良くわかります。
 
著者は工学博士なので書き方が技術論文みたいでちょっと硬いですが、
わかりやすく、そしてところどころ暖かい言葉で語られています。
 
 
 帰ってこい「はやぶさ」