雨上がり、車を運転していると左側の空に奇妙なものが浮かんでいました。
ぼんやり赤くておかしな形。
しばらくするとそれは低い雲を抜け出して、半円形に。
昇ったばかりの下弦の月でした。
 
どきり、としました。
 
まだ低い月は夜空に溶け込みそうな薄い赤茶色。
その半円と、見えない影の半円が
怖かったです。
 
天頂近くの、煌々と照る月には
「強い力」
を感じます。
 
低い、暗い月には
深いところを見抜く力、
そしてその深い所に静かに静かに
何かをしみ込ませる様な怖さがあります。
 
左ウインカーを出して月に向かってしばらく
走りました。木々や建物の陰から暗い月が顔を覗かせるたび、
どきどきしました。
 
しばらくして月が高く昇り、
本当の姿が強い月光に隠れたところで撮りました。
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靄がかかってちょっとおもしろい写真にはなりましたが、
もう、それほど怖く見えません。
 
でもその静かな力がなくなったわけではない。