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高校2年の夏に描いた20号の油彩画です。
事務所の裏の、旧いプレハブの中に放置してあったのですが、
久しぶりに見てみたくなり、引っ張り出してみました。

額にも入れず、ドアも半壊状態のプレハブにずーっと放置とはひどい扱いですが、
これにはちょっとした訳がありました。

小さい頃から絵が好きで高校生の時は美術部で油彩を中心に描いていました。
当時はとにかく「何か表現したい」、という烈しい欲求があってものすごく焦っていました。
(それでは「表現したい、語るべき事」があったのかというと、疑問ですが。)
基礎から技法を学ぶ精神的な余裕も無く、自己流で描いていました。
そんな中、高2の夏休み、毎年恒例の伊豆での美術部合宿で描いた絵が
これです。
自分としては自信作で、かなりの意気込みで秋の県展に出展しました。

美術館の、広い壁面に他の作品と共に展示されたこの絵を見て本当に愕然としました。
絵の外側にも広がる風景(世界)があるはずなのに、その広がりに感動したはずなのに
それが全く感じられない。完結している、と言うより萎縮してる感じ。

広い会場で自分の絵の小ささがショックでした。

それ以来何となく絵を描く事に冷めてしまい、卒業後は殆ど描いていません。
この絵はそんなきっかけの、ちょっと苦い思い出の絵だったのです。

でも今見てみると一生懸命描いてあるし、そんなに悪くない。
なんと言っても当時の自分の表現欲求と限界の記録ですから、
そんなものがきちんとカタチになって残っている事に感謝。
酷い扱いだったのに退色やひび割れも無くて良かった。
良い額を選んで、身近な所に掛けておこうと思います。