中学校時代の友人と
愛知にある放送局の番組の収録を見物しに行った事がある。
その当時は、『ざこば』とは、名乗っていなかった。
狭いホールの収録で観客の声がステージに届いたのであろう。
口に出すのもはばかられる『ヤジ』が…。
CMが入る僅かな時間に師匠は、観客に向けて
「あのな…声援は嬉しい。
 でもな、もう少しな“抑えて”くれへんか。
 あんまりにも“汚すぎる”からな。」
 そう言って、収録は続けられた。
それを聞いて私は、
(なんだかんだ言っても分別ある大人のいう事は“普通”だな)
 そう思ったのだ。
良いとか悪いとかではなく、『正論』は、『普通』のことなんだと。
そんな懐かしい思いを抱いて師匠の『声』を思い出している。