はい、オーケー! 」
「どうだった、菜々? 」
「これなら大丈夫かな」
 菜々はビデオカメラを片付ける。
 私はまだ汗が止まらない。
「ほら芽衣、これで汗を拭いて。いくら暖かいって言うても屋上にいるんだから」
「あ、うん」
 菜々から手渡されたタオルで汗を拭く。
「あとはこれを先に南畝さんに見せてからチャンネルにアップしないとね」
 菜々はスマホをいじっていた。
「ねぇ、菜々」
「なぁーに、芽衣」
「本当にいっちゃうの? 留学」
「今更、それを言う? 」
 一口、喉を潤す。
「….…寂しいなぁ」
「なぁーに、また一年後には帰ってくるって」
「分かってるけどさぁ」
「サイトの情報チェックは可能だから万が一の場合でも大丈夫だよ」
 菜々は微笑んでいた。