武道教育
「安全な武道」学校悩む 必修化で兵庫県内中学
という記事が出ておりました。
武道の稽古は地味なことの繰り返しです。
その繰り返しの中に毎日新しい発見があります。
繰り返しに見えるけれど、その中には様々な創意工夫があります。
基本を繰り返すことによって、いつの間にか強さを身につけることができます。
試合になれば、誰も助けてくれません。
試合に向けての稽古も自分との戦いです。
そういった武道が持つ特性は教育効果が高いと思います。
僕も空手をやっていたこともあるし、空手の稽古を通じて大きく成長できた部分もあると思っています。
個人的には、武道教育はあった方がいいとは思うのですが、実際問題として、施設の問題と指導員の育成の問題、この2つの問題がネックになっていると考えています。
僕が中学生の時にも柔道の授業がありました。
公立高校だったのですが、比較的施設に恵まれた学校だったので、畳を備えた武道場がありました。指導してくれていた体育の先生も一応茶帯をしめていました。
それでも、やっぱり組手をやった時にクラスの男子の一人が腕を骨折するという事故が起きてしまいました。
どの武道でもそうかもしれませんが、真剣に試合をすれば怪我をしてしまうことがあります。特に柔道の場合は、投げられた時に、全体重×重力加速度の衝撃を体に受けます。また、体のコントロールが効かなくなるので、生半可な受身の技術では、衝撃を逃がしきれないことがあると思います。
先日ニュースでフランスも柔道を学校教育に取り入れているが、事故はほとんどないといった報道がなされていましたが、指導員の育成体制が違います。
宮本武蔵『五輪書』に「千日の稽古をもって鍛とし、万日の稽古をもって錬とす」という言葉があります。殆ど毎日稽古をしてやっと3年ほどで基礎が定着し、きちんとその道を修めるには30年かかるというような意味合いです。
俄仕込みの指導者が、中学校3年間特定の時期だけにちょろっと教えるだけでは、本当の意味での武道教育はできません。
ポーズだけの武道教育なら危険性が高まるだけで、本当に教育効果があるかどうか分かりません。
柔道でする怪我は後々まで引きずるような怪我も多いです。
武道教育が開始されてしまった今となってはとにかく安全第一で進めていかなければなりません。
本当に武道教育を推進したいのであれば、きちんとした指導体制とハード面の整備をして、指導者の数が確保できてからスタートさせるべきです。必修にするのなら、国家レベルできちんと作りあげなければいけないのではないでしょうか?
今度、市内の状況についても調べてみようと思います。