教育の未来を考えよう | 今井アツシオフィシャルブログボクラノミライPowered by Ameba

教育の未来を考えよう

TEDという一流の人たちのプレゼンを無料で見られる動画サイトがあります。過去にはビル・クリントンやジェームズ・ワトソン(DNAの二重螺旋構造の共同発見者、ノーベル賞受賞者)、ジミー・ウェールズ(オンライン百科事典Wikipediaの共同創設者)といった人たちがプレゼンを行なったようです。

その中で、サイマル・カーンという人が始めたカーン・アカデミーというものを見つけました。無料で、数学や科学等について、解説動画が見られ、更に、各単元ごとに練習問題まで出来ます。また、Knowledge Map で学んでいる科目の全体像が確認でき、自分がどの程度まで知識を得たら視覚的に確認することができます。数学は足し算から始まるので、大人でも子どもでも利用できますが。全部英語です。


ネットを使った教育コンテンツは数多ありますが、TEDとカーン・アカデミーは非常にクオリティが高いと思います。


日本では、学習塾や予備校や資格学校、私立学校など教育の産業化が進んできて、多様化が進み、競争によりサービスの質が向上してきたという面があります。しかし、外の教育に目が行き過ぎた結果一番大切な義務教育学校が子どもからも保護者からも軽ろんじられるようになってしまったような気がします。そして、学校外教育に掛けるお金は馬鹿になりません。お金が無ければ質の高い教育を受けられない。その結果が職業選択にも大きく左右します。


ある意味ではインターネットは時間と空間を超越しています。日本にいながら、アメリカの一流ビジネスマンのプレゼンを見られたり、過去の映像も何回でも見ることができます。また、一度に沢山の人が同時にアクセスすることができます。こういった性質をうまく使っているのがTEDやカーン・アカデミーだと思います。学校教育にもこういったインターネットの性質をもっと活かしていくべきだと個人的には考えています。

ICT化によって、教師の実力低下を危惧する声もありますが、教師の役割は何かというところを考えて欲しいです。得意な学び方は子ども一人一人それぞれ違います。視覚からの入力が得意な子も入れば、聴覚からの入力が得意な子もいる。精神年齢や成長曲線の描き方だって一人一人違います。それを最大限サポートしていくのが教師の役割ではないでしょうか。日本は画一的な教育にこだわりすぎてきたのではないでしょうか。


もう、およげたいやきくん教育から脱却すべきです。


一人一人が学び方を身に付け、それぞれがセルフマネジメントをしながら知識や技術を身につけていく。そして、それを最大限サポートしていくのが教師であるというのが本来のあり方なのかもしれません。集団学習の大切なポイントは「学びの再生産」だと言われていますが、多くの教室では再生産よりも、教え込みに大きな時間が割かれます。コミュニカティブな教育も進んでいません。勉強が得意な子達にとっては教科書を読めば自分で問題演習まで進めます。勉強が不得意な子達にとってはみんなと同じペースで説明されてもチンプンカンプンです。得意な子も不得意な子も授業に対してフラストレーションを抱えがちです。本来は子どもたち一人一人に個別の学習計画が必要だと思いますが、今の教育制度では作成することは時間的に不可能です。一人一人が自分で学習計画を立て進めていけば、それこそ生きる力につながっていくのではないでしょうか。

ICT化はそう言った教育の可能性を広げてくれます。

高度情報化社会・知的労働社会・グローバル時代を生き抜くためには今までどおりの教育では不十分。段階の世代が大量退職し、若い先生たちが増えて来ている今だからこそ、日本の教育にパラダイムシフトを起こすチャンスです。何をどこまでできるかわかりませんが、様々な可能性を見つけて行きたいと思います。