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日本語

「リア充」
「てへぺろ」
「あげぽよ」

この3つの言葉は、「女子中高生ケータイ流行語大賞2011」でそれぞれ、金賞、銀賞、銅賞を獲得した言葉です。
皆さんこれらの言葉がどんな意味かご存知でしょうか。
「リア充」 …リアルの生活が充実している人を指す言葉
「てへぺろ」…うっかりしたときに、てへと笑ってぺろっと舌を出す仕草の擬態語
「あげぽよ」…テンションが上がっている状態に、なんとなくかわいい語尾を付ける
とのことです。
言葉を組み合わせたり、略語を使ったりして新しい表現を作り出すのは面白いと思います。
言葉は時代によって移り変わっていくもの。僕は、国語の教師でしたが、流行語そのものを頭ごなしに「日本語の乱れだ」と非難することはしません。

しかしながら、新しい表現を作り出していくのはいいのですが、言語は思考の基本です。
豊かなボキャブラリーと正しい用法を身に付けることがまずは大切なことだと考えます。

昨日、難波のジュンク堂書店で面白い本を見つけました。
『超訳 哲学用語辞典』 著 小川仁志    
文庫版で手軽に読めるのですが、難解な哲学用語が非常にわかりやすく解説されています。
一例を挙げますと、
「中庸」   …ほどほど
「一般意志」 …みんなの意志
「ニヒリズム」…一切の既成の価値を否定する立場
端的な超訳とわかりやすい解説で、難解な哲学に一歩足を踏み入れる入門書としてもオススメです。

哲学とは、
「世界・人生などの根本原理を追求する学問。古代ギリシャでは学問一般として自然を含む多くの対象を包括していたが、のち諸学が分化・独立することによって、その対象領域が限定されていった。しかし、知識の体系としての諸学の根底をなすという性格は常に失われない。認識論・論理学・存在論・倫理学・美学などの領域を含む」―デジタル大辞泉より引用
根本原理を追求する学問で、非常に奥深い学問だそうです。

残念ながら、日本では哲学教育は進んでおらず、高校の倫理の授業で少しかじった程度で、深く勉強したことはありませんが、価値観や生き方を追求する奥深い学問だという印象をうけました。


東京都の世田谷区では、平成19年度から、区立小・中学校全校において、教科「日本語」を実施しているようです。
 「小学校では、週に1時間の授業を行い、短歌、俳句、古文、漢詩、論語、近代詩などを音読したり、暗唱したりする活動を通して、日本語の美しい響きやリズムを楽しむ学習を行います。また、地域に伝わる民話や世田谷区の地名の由来や、日本の伝統文化などについて学んだり、調べたりする活動を行います。
 中学校では、週に1~2時間の授業を行い、教科「日本語」の3つのねらい応じて、次の3つの領域を設置しています」と世田谷区のホームページに載っていました。
中学校では「哲学」「表現」「日本文化」の3分野に別れているそうです。
「心の教育」というと「思想信条の自由」を盾に何かと抵抗がありますが、倫理観や規範意識の醸成は公教育にとって非常に重要な課題だと思っています。
「いかに生きるべきか」という命題を子どもの頃から自分の頭で考えさせ、自分の人生に向き合う能力を育成していくことが「生きる力」の確立につながっていくのではないでしょうか。

元和田中学校の藤原和博氏の「新しい道徳」や「よのなか科」も難解で正解のない問いに対して、議論を通して考えていくプロセスを子どもたちに体験させています。
社会にでてからは出くわす問題には万能の解はありません。

政治にも誰もが納得行くような答えはありません。それぞれに立場が違い、利害が食い違います。答えがないからと言って思考停止に陥っては政治家失格です。みんなで知恵を搾り出し、最善の解が得られた時の喜びは、正に「あげぽよ」です。
仕事や普段の生活が充実している僕は「リア充」でしょうか。
新しい教育のあり方もみんなで考えていきましょう。