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区民会議がやってくる

段々と10月22日が近づいてきました。
10月22日午後7時より鶴見区民センター大ホールで区民会議IN鶴見が開催されます。

今日は朝から気合を入れて、横堤駅前で区民会議のビラ配りをしました。
鶴見区民センター大ホールは定員が800人なので、気合が入ります。
思いの外たくさん配れました。皆さん、是非お誘い合わせの上傍聴しにきてくださいね。

その後、事務所に戻り、区民会議の式次第作成と論点整理を行いました。
区民会議IN鶴見の議題は
①学校選択制について
②待機児童について
③今後の鶴見緑地公園のあり方についてです
区民会議を傍聴される方は挙手の上、意見を自由に言えますので、是非ぜひ日頃考えていることを伝えに来ていただきたいと思います。

さて、論点整理で学校選択制関連のことを書籍やインターネットで調べていると面白いことを発見しました。
それは、フィンランドの教育についてです。
PISAの学力テストで3回連続世界一になったフィンランドですが、表面的なイメージでは入学テストをやらないなど、競争原理から抜け出し、学力が向上したように思われているのですが、実は、そうとばかりも言えないという事実を見つけたのです。

『丸投げされる学校』著 石井正浩 という書籍の中に、フィンランド大使館フィンランドセンター所長、ヘイッキ・マキパー氏へのインタビューが載っていましたのでまとめます。
ちょっと長いですが、教育に関心がお有りの方は是非、最後まで読んでください。

Q フィンランドの教育には本当に競争がないのか?

A 競争がないことはありえない。
①フィンランドの平等主義は、すべての競争を排除した「絶対的平等主義」ではない。
現に、全国一斉学力テストを実施し、学校ごとに全科目の成績を公表している。ただし、他の学校と比較するのではなく、学校、学級の前の年の成績と比較して努力目標を定めるために成績は使われる。

②受験競争には厳しいモノがある。
高校進学率は、約57%。大学進学率は約30%である。高校進学は、義務教育終了直後だが、大学進学となると、数年間の職業体験や軍務に服してから入学するなど、多様である(男子は、18歳から兵役が義務付けられている。)

③教員志望者の大学入試倍率は、10倍を超える。
大学卒の就職試験も概して厳しく、特に人気の高い教員採用試験は、低いところでも約10倍と言われる。

理解不足のままでは、進級させない。そのため「原級留め置き」もある。
しかし、原級にとどまることが「恥ずかしい」という意識はなく、分かるまで勉強するのが当たり前と受け止められている。フィンランドでは「習得主義」を貫いているのである。中学卒業に際して高校や職業訓練校へ進学する成績に満たない場合には、もう1年勉強ができる「10年生」という特別プログラムが準備されている。「10年生」を希望する生徒は例年、全体の3%程度という。「習得主義」は小学校入学に際しても適用される。入学にふさわしい準備・発達ができていないと判断される場合には、1年遅らせることができる仕組みになっている。

⑤全てが進学競争に参加するというわけではない。
97%の高校進学率に達する日本の子どもたちのように、ほぼ全員が進学競争に参加するというわけではない。高校入試にペーパーテストはなく、中学校の成績(内申点)で決まる。学校の成績は、ペーパーテストだけでなく、日々の学習の積み重ねで評価され点数化されていく。つまり、決まった入学試験はないけれども、日常の成績によって厳しい「振り分け」がなされている。「授業の時間は集中し、先生の話を一言も聞き漏らすまいと聞いている授業中は絶対に寝ない」これが普通の授業態度だという。

⑥日本のような進学塾・予備校はない。
大学まで進むものと、義務教育終了の時点で「手に職をつける」物とが分かれるところは、40・50年前の日本に似ているかもしれない。

現実は依然として、欧州的な「階級意識」の名残が根強く残る。
国民の多くは、ブルーカラーか、ホワイトカラーか、自分がどちらの階級に属するかの意識が明確で、大学で学ぶ学生の多くはホワイトカラー階級の子どもである。

さて、長々と書きましたが、お読みいただけたでしょうか。
フィンランド教育の表層だけをみて、都合のいいように情報操作されたイメージが一人歩きしているようです。競争もあれば、歴然とした格差もあります。
しかし、日本の教育が見習うべき点はたくさんあります。

フィンランド教育のポイントは「習得主義」「国家予算のかけ方」「国民の教育に対する意識」「学ぶ姿勢」「教師の質(修士課程卒業が条件、また、教育実習を延べ約6ヶ月行う)」といった所が非常に大きいような気がします。
また、ロシア等列強国に支配されてきた歴史もあり、資源の少ないフィンランドとしては、国家戦略として教育に力を注いできたという歴史もあります。

日本は「履修主義」を採用しています。「履修主義」では内容理解よりも授業をどれだけ受けたかということに重きが置かれます。実際に中学生でもカタカナが怪しい子や四則計算が怪しい子も意外といます。何年か前のニュースでは分数の計算ができない大学生などどいうことが取り上げられていたこともあります。

日本の現状を把握し、日本の教育の歴史を振り返り、危機感をもって、本腰を入れて国も改革に着手していかなければならないのではないでしょうか。