中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記


 若かりし頃に作った四季折々のうた、青春歌。

 「秋冬青春夏(しゅうとうせいしゅんか)」と名付けています。

 昨年12月31日以降、6回目(②1.23 ③2.26 ④3.6 ⑤4.15)。ご笑覧下さい。




          ● 秋冬春夏-10     秋風が・・・


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    夏に終わった恋の涙を

    秋風が そっと乾かしてくれる


    秋は 何かが始まる時

    秋は 何かに出逢う時

    じっとしておれなくて動き出す

    あの春と違って

    静かにもの想うことから秋は始まる

    失くしていたものを見つけ

    気付かないでいたものに目覚める


    それは 遠い想い出

    変わらぬ友情 身近なしあわせ・・・

    そして ひょっとして

    まだ見知らぬ人とのめぐり逢い

    だから 終わってしまった恋なんかに

    泣いてはいられない


    せっかく 秋風が乾かしてくれたのだから

    短い秋に 何かをみつけるために



      ● 秋冬春夏-11    ルート9号 秋の旅


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    爽やかな風が吹く

    白いススキの穂がゆれる

    コスモスが寂しげにおじぎする


    遠く 海なりが聞こえる

    どこまでも続く 紺碧の海がある

    地曳網引く漁師が見える


    巨大な丘では 

    人はみな砂と戯れる

    まるで 蟻のよう

    でも 楽しげな蟻だ


    高く高く澄みきった空の下

    心が和む 心が蘇る


    風と ススキと コスモスと

    海と 砂丘と 青空と

    ルート9号 秋の旅




      ● 秋冬春夏-12    感傷の秋


    過ぎた昔を想うと 心が踊ることがある

    人も誰でも 胸に秘める想い出がある

    あの日 あの時 あの場所で

    涙流したことでさえ かけがえのない宝物

    季節のせいにして ふと感傷的になれるのも 秋ならばこそ


    釣瓶落しに夕日が落ちるが 夕焼けがとりわけ美しい

    夜の帳がおりると 月が煌々と輝き 星座が夢に誘う

    凡人までもを詩人の如く変えてしまう


    年中で一番好い時候だが 

    現実に戻ると 本当に気持ちが良い期間は極めて短い

    冷房から暖房への人工温度から逃れるのは ほんのひととき

    感傷に浸れるこの時を 大切にしたい





★☆ 大和川叢書④『流域歳時記・甚兵衛と大和川~この日何の日』 10月8日 要旨 ☆★


● 《 歌人・石上露子、忌日(1959) 》

 与謝野晶子と並ぶ明治の女流歌人「石上露子(いそのかみ・つゆこ)」。『明星』で「白菊の君」と呼ばれた歌姫です。石川郡富田林村の杉山団郎の長女として誕生、本名杉山孝子。母は河内郡日下村の河澄家から嫁いだ奈美です。露子は、家を継ぐため恋を捨て養子を迎え、生家で昭和34(1906)年のこの日、74歳の生涯を閉じました。

  昨年のこの日のブログ ⇒  http://ameblo.jp/imagome/day-20111008.html