代表樹種「クスノキ」など、境内が大阪市の「保存樹林」に指定されている「神須牟地神社」。
「あびこ筋」と「長居公園通」が交わる「長居交差点」の西北に位置します。
住吉区長居西2丁目1番街区。その北側には「長居西公園」があります。
< 神社西側の本殿の塀と、途切れた所から見える拝殿 >
< 神社南側にある正門の鳥居と山門 >
< 農神社 >
先に、境外社としての「多米神社」(苗見神社・種貸神社)の存在を見ましたが、境内社として、農耕の神を祀る「農神社」があります。
<手水(ちょうず)舎>
< 神須牟地神社拝殿 >
「神須牟地神社」は、古来、「酒造・医薬」の祖神として崇敬されてきました。
『延喜式』に言う、新羅客の入朝の際に賜う「神酒(しんしゅ)」を醸造した「住道社(すむちのやしろ)」は、当社と見られています。
「酒振舞」は、大陸・朝鮮半島からの渡来人が日本に定住するための儀式の一つで、「須牟地の神酒を頂いて穢(けが)れを祓わない者は、日本人になれない」とされたそうです。
現在、当社の東方、長居公園通の南の東住吉区住道矢田2丁目にある「中臣(なかとみ)須牟地神社」と共に、若干別の地に遷座を繰り返していて、原社地は不明とみられています。
が、いずれにしても、住吉津・住吉神社から、大和・飛鳥への道筋だった「磯歯津路(しはつみち)」沿い、またはすぐ近くにあったに違いないでしょう。
この「磯歯津路」は、近代の「八尾街道」、現代の「長居公園通」に、ほぼ近いとみられます。
< 右奥に見えるのは、東門の鳥居 >
< 東鳥居側から見た拝殿と社務所 >
< 神須牟地神社の東の鳥居 >
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● 《 杭全神社、平野川で神輿清祓式 》
神須牟地神社の夏祭りより一足早く、この日から始まるのが、平野区にある「杭全(くまた)神社」の「平野郷夏祭り」。「平野だんじり祭」としても有名ですが、神事の始まりは、「神輿川行(足洗)神事」。4日間の祭礼期間中、第1本殿の素盞鳴尊(すさのおのみこと)」を迎える神輿(みこし)を拭い清める神事で、平野川の「樋之尻橋(ひのじりばし)」の袂のお祓い所で執り行われます。