中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記

     < 1961.9.16 午後2時 高潮、堂島川の防潮堤越す >

  

 今日、9月16日。台風12号に続いて、15号接近による大雨が心配されています。


 昭和36(1961)年のこの日、史上最大級の規模の「台風18号」が、阪神間を直撃しました。

 最盛時、「中心気圧885ミリバール・瞬間最大風速75m・暴風圏の東半径370km」という超大型。

 そうした勢力をほぼ保ったまま、16日朝、四国南東部の「室戸岬」に一旦上陸、その後紀伊水道を経て、西宮付近に再上陸しました。

 新聞スクラップで、その被害の一部を、振り返ります。


中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記


中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記


 昭和36年の9月。近畿地方では、14日夕方から降りだした前線による雨が、15日朝からは台風の影響による前触れ豪雨に変わり、マンモス台風接近の報におののきました。

 16日午前1時になって、暴風雨・高潮・洪水などの警報が各地に出されました。


中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記 中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記


中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記


 台風の進路のすぐ右側になった「大阪府」にとっては、最悪のコース。

 暴風と高潮により、「死者32人・負傷者2400人・家屋の全半壊25,000戸・床上浸水と床下浸水が各60,000戸・田畑冠水33,000ha」にもなり、20日までの調査で被害額は1135億円に達しました。


     中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記


 一時、約9割に達した「停電」は、翌17日にはほぼ復旧したものの、八尾市・東大阪市(当時の河内市・布施市・枚岡市)などでは、21日夕刻まで5日間も復旧しませんでした。
 「国・私鉄・大阪市電」が全通したのが19日。「電話」の完全復旧には10日間もかかりました。


 大阪市内の高潮による「浸水」箇所は、17日午前8時現在、西淀川・福島・北・都島・此花・西・港・大正・住吉の9区に及びました。特に、西淀川・此花・港・大正など西大阪地区の排水は、20日以降になりました。

 家が流されたり全壊して帰れない「避難者」は、22日になっても2700人を数えました。


中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記

 < 避難した西九条小学校が浸水のため、移動するのに屋根の上で列をつくって待つ人たち >


中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記

             中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記


 この昭和36(1961)年の猛威をふるった「台風18号」は、昭和9(1934)年の「室戸台風」と、規模や進路がそっくりなことから、「第2室戸台風」と命名されました。


 

 大和川叢書④『流域歳時記・甚兵衛と大和川~この日何の日』の9月16日の頁も、「第2室戸台風」の被害の模様を採り上げています。