「JR大和路線・高井田駅」の踏切のすぐ北から、小高く広がる「高井田横穴公園」。
岩盤の横から穴を掘った墓が200基以上あるとみられている「国史跡・高井田横穴群」周辺の、約36,000㎡が公園として整備されています。
入口にある「古代へのいざない広場」。入るやいなや、右手に幾つもの横穴が木々の下に見えます。
ここから坂道を登って、歴史資料館まで散策しますが、まず、クスノキの若木が目に止まります。
種子から、柏原市内の式見中学校の先生や生徒が丹精込めて育てたものが、移植されています。
その種子は、昭和20(1945)年8月9日の原子爆弾で壊滅的な被害を受けた長崎で、生命を絶やすことなく生き残った「山王神社」のクスノキの大木のもの。
平成11(1999)年、長崎市で被爆し柏原市に在住する方から寄贈されたということです。
直進した所に、三方を木々の囲まれた「芝生休憩園地」があります。
藤棚やベンチもあり、そこからは大和川など開けた景色が見え、涼しい風も吹き抜けます。
しかし、「史跡高井田横穴公園竣工 記念植樹」や、「(史)跡高井田横穴公園 記念樹」「贈 桜十本・藤四本」などと書かれた木製の標柱が、哀れな姿で建てかけてありました。
記念や好意を思うと、むなしい気持ちになりましたが、育っている木々と景色を眺め、気を取り直して、先に進みます。
柏原市内には、飛鳥(あすか)・白鳳(はくほう)時代の古代寺院跡が集中しています。
「柏原市立歴史資料館」へ通じる道脇にある「屋外展示広場」には、河内六寺の一つ、大県(おおがた)廃寺の礎石が置かれています。
「竹林公園」や線刻画がある「第3支群5号墳」については、次回に報告します。
大和川叢書④『流域歳時記・甚兵衛と大和川~この日何の日』の8月31日の頁は、「付け替え300年は記録に残る猛暑」と題し、大和川付け替え300周年だった平成16(2008)年の6~8月3ヵ月の、猛暑ぶりを纏めています。