在来線編スタート!なにわ筋線の運行案をシミュレーション
︎︎こんにちは。前回で新幹線編は終了し、今回と次回は「在来線編」をお届けします!最初のテーマは「なにわ筋線運行案」です。なにわ筋線は2030年以降に開業予定で、JR・南海(+阪急)による“御堂筋線のような役割”を担う路線です。
︎︎今回は、ダイヤ紹介のスタイルを少し変え、列車の運行種別や運行区間がひと目で分かる形式にしています。まずは、なにわ筋線に関わる各路線の現在の運行形態をご覧ください。
経路と本数がひと目で分かる!表の読み解き方
︎︎この表は、1時間の間にどの列車が何本走るかを示しています。〇印は「その駅を経由する」ことを意味しており、「停車するかどうか」までは分かりません。あくまで列車の経路を表したものです。
︎︎列車の運行本数は、割り当てられた列の数で分かります。例えば、特急「はるか」はB列とC列に記載されているため、1時間に2本走行。南海の空港急行はAE列からAH列まで4列分あるため、1時間に4本運行されています。
︎︎この表を基に、なにわ筋線の運行案をいくつか検討しました。まずは、第1案をご紹介します。
1時間12本運行!なにわ筋線の第1シナリオ
︎︎最初の案では、JR・南海ともに有料列車2本、一般列車4本の計6本ずつ、合計12本を走らせてみました。
︎︎JR側は、特急「はるか」と、おおさか東線・大和路線の普通列車をなにわ筋線で一本化した系統を設定。特急「はるか」は関西空港アクセス列車として最適です。一般列車は、既に大阪駅やJRなんば駅に乗り入れている列車をそのままなにわ筋線に通した形態です。
︎︎南海側は、特急「ラピート」と空港急行を設定。どちらも関西空港アクセス列車として適しています。
︎︎阪急側は、南海の列車をそのまま阪急新大阪まで直通運転させました。
︎︎JR・南海ともに1時間あたり6本ずつ運行(有料特急2本ずつ)という形態はバランスが取れているように見えます。しかし、JR側には南海の空港急行のような、有料特急以外の関空直通列車も欲しいところです。そこで今回は、「関空快速」をなにわ筋線に乗り入れることにしました。
関空快速を投入!なにわ筋線の第2シナリオ
︎︎南海側は前回と同様の運行形態。
︎︎一方、JR側では関空・紀州路快速を阪急新大阪発着に設定。本数減少となる大阪環状線では、周回列車を増発しました。
︎︎阪急側は、一般列車を毎時4本から6本に増加。阪急他路線ではおおむね10分間隔のダイヤとなっているため、この設定は都合の良い形です。
︎︎しかし、中之島駅を見ると、JR側の列車が南海より毎時2本多くなっていました。これでは南海側として納得できません。そこで、両社の列車本数を揃えることにしました。
列車統合と編成変更で整理!なにわ筋線第3案
︎︎JR側の一般列車は関空快速に統一。北側の発着地は阪急新大阪と、おおさか東線直通の久宝寺発着快速列車です。大阪環状線の快速列車本数を維持するため、関空快速と紀州路快速を分離。単独運転の関空快速は6両編成、紀州路快速は4両+4両の8両編成に変更しました。阪和線内では、紀州路快速と区間快速を統合し、運行本数を維持しつつなにわ筋線列車を捻出しています。
︎︎南海側の特急「ラピート」は北側で、後の特急「はるか」に準じた山科発着に。これに伴い、特急「はるか」は琵琶湖線経由の草津方面発着列車となります。
︎︎さて、これまでJR側のなにわ筋線として運行されていたおおさか東線〜大和路線系統は、再び別の列車として運行されることになりました。大和路線は現行通りJRなんば発着の列車となりますが、おおさか東線の列車はゆめ咲線と一体化しています(これまでのダイヤ紹介でゆめ咲線が登場していたのは、このためです)。
︎︎以前は、新大阪とUSJ・桜島を結ぶ直通快速や「エキスポシャトル」といった列車がありましたが、いずれも西九条駅に課題がありました。なにわ筋線の開業に合わせ、西九条駅にゆめ咲線専用の島式ホームなどが整備されると便利でしょう。もちろん、その場合は環状線からの乗り換えがやや不便になりますが、同時期に京都駅で特急「はるか」の利便性が低下することを考えれば、大きな問題にはならない気もします。
なにわ筋線運行シナリオを検証!次回は最終回
︎︎今回は、なにわ筋線の運行形態をシミュレーションしました。JR・南海とも大阪と関空を結ぶ列車が中心で、どのような運行形態が望ましいかを検討するのに苦労しました。実際のダイヤがどのようになるのか、楽しみですね。
︎︎次回も在来線編、そして定期更新の最終回です。どうぞお楽しみに!