新幹線編完結!北海道の未来を変える新幹線構想

 こんにちは。今回は最終章【北海道新幹線編】の第三夜、そして9週間にわたって続いた新幹線編の最終回です。第一夜では新函館北斗〜札幌間の開業、第二夜では札幌〜旭川間の開業と函館駅への新幹線乗り入れをシミュレーションしました。


 ところで、北海道新幹線が札幌や旭川まで延伸したとして、青森側から新幹線を利用して北海道に来る人はどれほどいるのでしょうか。仙台や盛岡からなら新幹線を使う人も多いでしょうが、首都圏からとなると話は別です。東京〜博多間と同じくらいの所要時間ですから、中には新幹線を通しで利用する方もいるかもしれませんが、大半は飛行機を選ぶでしょう。


 それなら、北海道の空の玄関口・新千歳空港と直結し、空路利用者にとっても便利な新幹線を作ったらどうでしょうか。


 ということで、今回作成したダイヤをご覧ください!


札幌から帯広・岩見沢へ!空港アクセスと地域拡張を両立

 空港利用者にとっては……やっぱり空港に直結する新幹線があると便利ですよね。そこで今回は、札幌から新千歳空港まで新幹線を延伸してみました。さらに、道内の各地へ新幹線でアクセスできるようにとの考えから、新千歳空港から東へ延ばして帯広に至るルート、北へ延ばして岩見沢で前回の北海道新幹線に接続するルートも設定しました。


 このうち、小樽〜札幌〜新千歳空港〜帯広に至る路線を「南北海道新幹線」、新千歳空港〜栗山〜岩見沢に至るルートを「空知新幹線」と呼ぶことにします。なお、ここでいう南北海道新幹線は、青函トンネル経由で函館から札幌へ至るルートとして言及される「北海道南回り新幹線」とは異なります。


 また、前回は触れませんでしたが、札幌駅は2面2線しかなく、このままではキャパシティ不足が懸念されます。そこで、札幌発着列車の一部を逃がすため、札幌〜小樽間を開業させ、旭川・新千歳空港方面からの札幌止まり列車を小樽発着に変更しました。小樽駅は1面2線の想定ですが、本数はそれほど多くないため対応可能と考えられます。

列車紹介

  • はやぶさ・はやて
 北海道新幹線では、盛岡以南を走行する列車を「はやぶさ」、盛岡以北を走行しつつ函館以北で完結しない列車を「はやて」と呼びます。いずれも全車指定席ですが、盛岡以北のみの利用に限り、新幹線自由席特急券で普通車の空席を利用可能です。
  • ほくと
 「ほくと」は北海道新幹線のうち函館以北で完結する列車に付けられる愛称です。函館発着列車の多くは、新函館北斗駅で「はやぶさ」や「はやて」と接続するダイヤを想定しています。
  • おおぞら
 「おおぞら」は南北海道新幹線および空知新幹線の列車に付けられる愛称です。新千歳空港発着・帯広発着・旭川発着のいずれも「おおぞら」となります。

 なお、「はやぶさ」「はやて」にはE5系・H5系を使用し、それ以外の列車には普通車5両+グリーン車1両の6両編成によるオリジナル車両を想定しています。


Confer Clip!!

 ここでは、今回の記事を作成する際に参考にした動画をひとつご紹介します。ぜひコーヒーブレイクのお供にご覧ください!




ダイヤ解説

 新青森〜札幌間は前回同様、「ほくと」と「はやぶさ」を合わせて毎時1本程度を設定しました。函館方面に乗り入れない「ほくと」は、札幌での停車時間を短縮するため小樽発着に変更しています。

 「おおぞら」は全列車が小樽発着となっていますが、札幌では函館発着の「ほくと」とスムーズに乗り継げるダイヤを組んでいます。なお、札幌〜岩見沢間では「ほくと」と「おおぞら」で所要時間が30分程度異なるため、誤乗防止策として、下り列車では札幌発車時まで、上り列車では岩見沢発車時まで「新千歳空港方面/旭川(または小樽)」と案内することにしました。

 さらに、旭川では稚内方面への特急「サロベツ」、網走方面への特急「オホーツク」(「大雪」は引き続き特別快速として運行)、帯広では釧路方面への特急「とかち」(「おおぞら」は新幹線に使用しているため)をリレー特急として設定しました。これにより、道内各地への移動を新幹線経由でスムーズに行える環境を整えています。

新幹線編のまとめと大胆提案

 今回、北海道新幹線編を作成した背景には、JR北海道の利益率低下という課題があります。北海道は面積が広く地方ローカル線も多いため経営が厳しいことは承知していますが、それでも打開策はないかと考えました。そこで、私は次のような構想を思いつきました。


  1. JR北海道は札幌近郊区間内の在来線(電化区間すべて)から撤退し、その運行をT急(旧T京K行電鉄)グループが担う。
  2. T急グループは、北海道内の運行路線沿線を中心に都市開発を進める。
  3. 将来的には、JR北海道が運行する路線の一部を段階的にT急グループへ移管していく(電化開業の有無は要検討)。


 これにより、JR北海道は黒字基盤である札幌近郊線を手放す代わりに、新幹線やローカル線に経営資源を集中できます。そして、最終的にT急グループによる再開発が道内全体に広がれば、ローカル地区にも再び光が当たり、北海道の鉄道事業は安定するかもしれません。


 これで「新幹線編」のシミュレーションは一区切りです。次回はダイヤとは少し異なる視点から未来の鉄道を考えてみたいと思います。どうぞお楽しみに!