カツオ  僕、佐藤カツオ。勉強も運動もそこそこできる。

でも、僕には苦手なものがいっぱいある。それは・・

 母  「カツオ~ピーマン残さず食べなさい!」

カツオ  そう、野菜が大嫌いなんだ。




ポチ  野菜王国の冒険第一話「ピーマンの逆襲」




カツオ  僕は、いつもコイツと戦う。ピーマン。

ある時は噛まずに飲み干し、

またある時は、ソースに浸して味を変え、ヤツを消滅させた。

そして今日は、ポチに食べさせる作戦。 

ポチ 「ワンワン、むしゃむしゃ(食べるAD)」




母  「もう寝る時間よ~」

カツオ  母さんの声と共にベットに入る。

そしてこれが、僕の、悪夢への始まりだった。




       ☆★☆★☆★☆




ポチ 「ご主人様、ご主人様・・起きて下さい」

カツオ 「誰~?何だか情けない声だして・・ってえぇ?!」

(N)  驚くべきことに、僕の身体を揺すっていたのは、飼い犬・ポチ?!

ポチ 「大変なんです、ご主人様。拙者の力が足らないばかりに・・

    母上殿が・・母上殿がぁぁぁ(AD)」

カツオ  「ね・・ねぇポチ、そんなに泣いてたら何しゃべってるかわからないよ・・

(N)   って、どうしてポチが変な日本語しゃべってー・・・」




SE ドアの叩く音




 母  「入るわよ。」

ポチ 「ぐるぐるぐるAD(警戒)」

カツオ 「母さん・・・じゃないっ!」

(N)いつもと違う母さん。両手には、僕の宿敵ピーマンが握られていた!

 母  「カツオちゃんの大好きな、アレ、沢山持って来たわよ」




 ポチ 「母上殿は、ピーマン聖人に操られてるんです。早く助けないと、身体も心も、

     全て乗っ取られてしまいます。」

カツオ 「そ、そんなっ・・」

 母  「ほぉら、カツオちゃん、あ~んして」

 ポチ 「助ける方法はただ一つ…愛をささやくことです」

カツオ 「あ、愛?!」

 ポチ 「ピーマン聖人は、同性にしか乗り移ることができないのです。

という事は相手は女。歯の浮くような愛の台詞で、母上殿から追い出してやりましょう☆」

カツオ 「何それ、意味わかんない?!っていうか、何で楽しそうなの?!」

 ポチ 「さぁ、レッツトライです♪」

カツオ 「・・あ、その、えっと・・あ・・・・好きだよ」 

      間

カツオ 「おいっ!何も起きないじゃんか!!」

 ポチ 「なんで、「あ・・」まで言っておいて「愛してる」じゃなくって「好きだよ」 

    なんですか?!棒読み、しかも棒読み!!優柔不断にも程があります!」

星人 「うっ・・」

 ポチ 「って効いてるっ?!」

星人 「ごめんなさい・・」

カツオ 「お・・女の子?!」

 (M)「しかも、レベル高っ!」

 星人 「私・・ただカツオさんに、ピーマンの良さを知って貰いたくて・・ 

美味しく食べて貰いたくって・・」

カツオ 「・・ピーマンさん・・。」

 星人 「本当にごめんなさい」

カツオ 「ピーマンさん・・君の苦味は恋の苦味と似ているね。エメラルドの・・

     宝石の様な貴方に、僕は恋をしてしまったようだ。」

 星人 「カツオさん::」

カツオ 「ピーマンさん・・」

 ポチ 「何これ。何このロマンス?」

     

SE 小鳥のさえずり(数日後)




カツオ 「母さん、ピーマン、おかわりっ!!」

 母  「この前まで食べれなかったのに・・不思議ね」

ポチ 「ワンワンワーン(まったく現金なんだからっ)」




          ☆★☆(ED)★☆★

カツオ「いやぁ、それにしてもピーマンちゃん可愛かったなぁ」

 ポチ「本当にご主人様は現金なんだから」

カツオ「で、次はどうなるの?」

 ポチ「女子に大人気の、あの王子様がやってくるのです!」

カツオ「王子様ってまさか?!」

 ポチ「次回、野菜王国の冒険第二話「アボカド王子、角 曲がり損ねる」」

カツオ「絶対に見てくれよな!」





テーマ:妄想劇場
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帰り道は、雨の道。
夜の暗闇は、
雨を引き連れて私を包む。

雨は優しく、
私の手のひらに雫石を落とし
後から後から
音もなく私に触れる。

聴こえるのは、街の雑踏。
それから足音。

1、2、1、2

リズムを変え、音を変え
私の足は前へと進む。

帰路を急ぐ私は
何故急いでいるかと
自問する。

急ぐ必要はないんだ。

忙がなければならない、と
さも其が当たり前かの如く
思い込んでいたのかも知れない。

そんなルール、
誰が決めたの?


雨は暖かく優しい。
しかし、
時に刃とさえなる存在。

私は、
それを疎ましいと思いながら
一方で愛おしいと感じている。


雨の帰り道は
私に考える余地を与えてくれる。

のんびりと
様々な思いを。

頭の中では
昨日の出来事や今日の出来事。

そして未来の自分を想像し
時に過去に遡り。


少年になり、おばあさんになり、猫になり

私は心で冒険をする。

そんな時、
いつも雨は側にいる。

私の傍らで、私を見守る。


傘は必要ない。

生まれたままの私を
雨は、包みこんでくれる。


ある時、教えて貰った。
くろまめた。-2010050210480001.jpg
羊の数を数えると
直ぐに眠れるって。

そこで僕は、
僕自身を数えながら眠る事にした

僕が一匹、
僕が二匹、
僕が三匹、

僕が四匹、


僕が、僕が…

その内に、僕は眠りにつく

深くて静かな、あの場所へ

その場所は、
深海みたく暗い。

でも、怖くはないんだ。

温かくて、
僕を包みこんでくれる。付くと、森の中にいた。
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緑が生い茂る中、
白い影が目に飛び込む。

白い影が、
縦横無尽に動き回る。


近付いてみて驚いた。

白い影は、僕だった。

僕たちは、
草を食べ、広い芝生を駆け回り、楽しそうな表情を浮かべている。

『ねぇ!』
僕は僕に話しかける。

『僕も仲間に入れて!』
僕たちは、顔を見合わせる

『うん、いいよ』
僕たちは笑みを浮かべ、
僕を向かい入れる。


僕は僕たちと遊んだ。

ひなたぼっこをし、
かくれんぼをした。

でも僕たちは、
白いから直ぐに目立っちゃう。

それは誰が鬼になっても同じだ。


ひときしり遊んだあと、
僕は急にママが恋しくなった。

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『ねぇ、
僕もう帰らなきゃ』

僕は僕に告げる。

『どうやって帰ればいい?』

僕たちは顔を見合わせる。

『知らないよ。
だって君の夢でしょ。
君が何とかしなよ』

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『そんな事言わないで。
僕を助けてよ。』

『僕だって夢から覚めたいさ』

『僕だって家に帰りたいさ』

せきをきった様に、僕たちは喋り始める。


『ママに会いたいよ』

『パパは元気かな?』

『友達だって、先生にだって会いたいよ』

『お腹いっぱいミルクを飲みたいよ』

『どうしてこんなことになった?』

『知るか、お前のせいだ』
『違う、お前のせいだ』

『どうするんだよ、帰れないじゃないか』

『帰れないのを他人のせいにするな』

『じゃぁ、誰のせいにするんだよ』

一斉に僕たちの視線が、僕に集まる。
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『あいつだ』

『あいつのせいだ』

『あいつは誰だ』

『あいつは誰だ』

『あいつは僕だ』

『僕たちは誰だ』

『僕らはあいつだ』

『あいつは僕だ』

ぐるぐる回る論理を口走りながら、僕たちが僕の周りを取り囲む。


『帰りたい』

『帰らせろ』

『帰りたいんだ』

『お前のせいだ』

『お前がいけないんだ』

『早くしろ』

『責任をとれ』

『お前が責任をとれ』

『僕たちを帰らせろ』

気付くと、最初にいた時よりも僕が増えていた。

僕の怒号が、僕を責める。

『消えろ』

『失せろ』

僕は僕の罵声に、恐怖する

そして、あの言葉を口にする。

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『僕が一匹、僕が二匹、僕が三匹、僕が四匹、僕が五匹、僕が六匹、僕が、僕が、僕が、僕が…』











気付くと、僕は夢から醒めていた

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あれ。
何の夢を見ていたんだっけ

そもそも、夢をみていたんだっけ?

それにしても、暑いなぁ。
汗でぐっちょりだ。

やはり僕は
夢でも見ていたのだろうか

何にも覚えてない。

でも何だか、思い出さない方が良い気がする。


さぁ、もう一度眠りにつこう。
あの言葉で。


あの言葉…?

って
何の言葉だっけ。

まぁ、いいや。
何も考えずに眠ろう。

皆さん、おやすみ。
僕はもう一度眠りにつきます。

どうぞ、おやすみ。

いい夢を。