修復プロジェクトに巨大看板の広告費を投入!
イタリア・ベネチア(Venice)の観光名所「ため息橋(Bridge of Sighs)」と、連結するドゥカーレ宮殿(Doge's Palace)の外壁の修復工事が完了したと、伊当局が1日発表した。
3年がかりの修復プロジェクトは、2007年にドゥカーレ宮殿の外壁からはがれ落ちた大理石の破片が高齢のドイツ人観光客の足にあたってけがをした事故がきっかけで始まった。汚れを落とす作業と、石灰岩の復元にかかった総工費280万ユーロ(約3億円)の半額は、修復中の橋と周囲の建物を覆った巨大看板の広告費でまかなわれた。
カップルに人気のスポットとなっている「ため息橋」は17世紀初頭、ドゥカーレ宮殿と監獄との間にかけられた小さな橋。橋をわたって監獄に向かう囚人が、最後の景色を眺めながらため息をつくという言い伝えからその名がついた。英国の詩人バイロンは、詩「チャイルド・ハロルドの巡礼(Childe Harold's Pilgrimage)」で、ため息橋を詠んでいる。また、英ケンブリッジ(Cambridge)とオックスフォード(Oxford)にはこの名所にちなんだ橋がそれぞれ存在する。
ため息橋をわたった囚人たちの中で最も有名な人物は、「女たらし」の代名詞、カサノバ(Casanova)だ。1755年にとらえられたが、15か月後に修道僧の助けを得て脱出に成功した。