世界一のタクシー観光、9週間1.3万キロの旅でゴール | 金谷全朗の印象光景・ハッピーがそこにある!
オーストラリアの観光PRのため企画されたタクシーで豪大陸を縦断する「世界一のタクシー観光」が13日、ウエスタンオーストラリア(Western Australian)州の未踏の砂浜や荒野地帯、内陸部のアウトバックをめぐる9週間の旅を終えた。

 一般募集で選ばれた11組のカップルを乗せ、西海岸のパース(Perth)から北部のブルーム(Broome)まで1万3650キロを走りきったタクシー運転手のダグ・スレーター(Doug Slater)さんは、「一期一会だね」と旅を振りかえった。

 この企画は前年の「世界一素晴らしい仕事」の大成功にならって実施されたもの。公募に応じた400人の運転手候補者の中から選ばれたスレーターさんは、「運転するのはそれほど苦にはならなかった。それ以外はずっと忙しかったけれどね」とコメント。ウエスタンオーストラリア州のたくさんの観光スポットを紹介し続けるのが大変だったと話した。

 スレーターさんの運転するタクシーには、同じく公募の11組のカップルが順番に乗った。豪国内のほかマレーシア、シンガポール、英国、ニュージーランド、ドイツなどから集まった乗客たちは道中、毒ヘビやサメ、ワニなど、豊かな野生生物との出会いに驚嘆したという。

 この企画は、1930年代にオーストラリア東岸のメルボルン(Melbourne)からダーウィン(Darwin)までを3か月かけて旅した女性の体験から着想を得た。関係者によると、企画に基づくメディア効果はすでに260万ドル(約2億4000万円)相当に上っており、世界中で最大で6000万人規模の注目を集めたとされる。

 旅が終わって寂しいというスレーターさん。パースに戻ったら、すぐにもう一度同じ順路を旅する予定だと語った。今度は妻との2人旅だそうだ。