シドニーを襲った砂じん嵐、大規模な損失額に | 金谷全朗の印象光景・ハッピーがそこにある!
オーストラリアで24日、シドニー(Sydney)を襲った過去数十年で最悪の砂じん嵐が止んだが、砂じんによる損失額は数千万豪ドル(数億円~数十億円)規模に上る見込みだという。

 砂漠地帯から吹き込み、シドニーの夜明け空を真っ赤に染め上げ、市内をオレンジ色の砂で覆った大量の砂じんが通過した翌日、晴れ上がった空の下で住民らは砂ぼこりで覆われた車や窓を清掃した。

 保健の専門家によると、記録的な大気汚染による危険は無くなったという。しかし、業界団体などは、労働時間の損失や、農業に貴重な表土が失われたことによる経済損失が非常に大きいと指摘している。

 砂じん嵐の発生で、シドニーの建設現場などは作業の休止を余儀なくされ、空の便では国際線が大幅な遅延となるなど、大混乱となった。

 業界団体Australian Industry Groupのマーク・グッドセル(Mark Goodsell)氏は、経済的な損失について、「数千万豪ドル規模だと思われる」と語った。

「(空港の遅延は)数百万ドル規模の損失だ。建設現場では終日作業が休止されたが、これも高額な損失だ。欠勤も多く、接客業での損失も大きい」(マーク・グッドセル氏)

 砂じんはオーストラリアで最も人口の過密しているニューサウスウェールズ(New South Wales)州に多くの砂ぼこりをまき散らした後、北方のクイーンズランド(Queensland)州の方角へ向かって幅400キロメートル、長さ1500キロメートルに広がったとみられる。