マイケル・ジャクソンのムーンウォーク着想源は! | 金谷全朗の印象光景・ハッピーがそこにある!
天才的なダンサーとして知られ、25日急逝した米歌手マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さんの有名なムーンウォークは、「パントマイムの神様」と呼ばれたフランスの故マルセル・マルソー(Marcel Marceau)さんのパントマイムと、ニューヨーク(New York )のハーレム(Harlem)で生まれたダンス・ステップから着想を得たものだった。

 20年近くにわたりマルソーさんと仕事をしていたエレナ・セラ(Elena Serra)さんはAFPの取材に「マルソーさんはジャクソンさんのことを、生まれながらのパントマイム・アーティストだと話していました。優れた身体能力、身体の動きについての分析力、理解力を備えていたからです。チャーリー・チャップリン(Charlie Chaplin)についても同じことを言っていました」

 ジャクソンさんは13-14歳のころよくマルソーさんの舞台を見に来ていたと、マルソーさん自身がよく話していた。マルソーさんのステップのひとつに風に逆らうような歩き方があるが、これがムーンウォークのヒントになったと、ジャクソンさんが舞台裏で話したことがあったという。また、ジャクソンさんは、1970年代末から1980年代初頭までのニューヨーク(New York)のハーレムで子どもたちが踊っていたダンス・ステップを元に、ムーンウォークを編み出したと話していたという。

 ジャクソンさんがムーンウォークを初めて披露したのは1983年。テレビ番組で『Billie Jean』を歌っていたときだった。

 ジャクソンさんも2007年に84歳で亡くなったマルソーさんのことを「重力の法則を無視しているようだ」と称賛していた。「2人は互いに尊敬していました」と語るセラさんによると、1995年にジャクソンさんのコンサートにマルソーさんが参加することになりリハーサルでは2人のマイムも撮影したが、リハーサル中にジャクソンさんが倒れ、共演が実現することはなかったという。