第62回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)は24日、オーストリアのミヒャエル・ハネケ(Michael Haneke)監督の『Das Weisse Band(白いリボン)』が最高賞のパルム・ドール(Palme d'Or)を獲得し、閉幕した。
『ファニーゲーム(Funny Games)』や『コード:アンノウン(Code Unknown)』などの痛ましい作品で、邪悪な力によって崩壊する現代の中産階級の暮らしを描くことが多いハネケ監督は、モノクロのこの作品で第一次世界大戦前のドイツの小さな村を舞台に悪意を描いた。
コンペティション部門には20作品が出品された。クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)監督やジェーン・カンピオン(Jane Campion)監督などの強力なライバルを破ってパルム・ドールを獲得したハネケ監督は、「人生でとても幸せな瞬間だ」と語った。
ステージに上がったハネケ監督は、2001年に自らがメガホンを取った『ピアニスト(The Piano Teacher)』の主演女優で、今回審査委員長を務めたイザベル・ユペール(Isabelle Huppert)からシュロ像を受け取った。
ユペールは、批評家からも好評で、ナチス(Nazi)の残虐性のルーツのたとえ話と見られることの多い『Das Weisse Band』を、「メッセージは伝えないが、重要な事を教えてくれる素晴らしい映画」だと評した。
主要部門の受賞結果は以下の通り
- パルム・ドール:『Das Weisse Band』-ミヒャエル・ハネケ監督 オーストリア
- グランプリ:『Un Prophete(A Prophet)』-ジャック・オーディアール(MJacques Audiard)監督 フランス
- 審査員賞:『Bak-Jwi(Thirst)』-パク・チャヌク(Park Chan-Wook)監督
『Fish Tank』-アンドレア・アーノルド(Andrea Arnold)監督 イタリア
- 女優賞:シャルロット・ゲンズブール(Charlotte Gainsbourg、フランス)-『Antichrist』
- 男優賞:クリストフ・ヴァルツ(Christoph Waltz、オーストリア)-『イングロリアス・バスターズ(Inglourious Basterds)』
- 監督賞:ブリランテ・メンドーサ(Brillante Mendoza、フィリピン)-『Kinatay』
- 脚本賞:メイ・フェン(Feng Mei、中国)-『Spring Fever』
- 功労賞:アラン・レネ(Alain Resnais、フランス)
- カメラ・ドール(新人監督賞):『Samson and Delilah』-ワーウィック・ソーントン(Warwick Thornton)監督 オーストラリア