オーストラリアのクイーンズランド(Queensland)州政府が「世界一素晴らしい仕事」と銘打って募集した世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)にあるハミルトン島(Hamilton Island)の管理人は6日、全世界3万4000人以上の中から英国人慈善団体職員の男性ベン・サウスオール(Ben Southall)さん(34)に決定した。
審査員団は、サウスオールさんについて、最初の応募の段階で、「人生で最も重要なことは、自分自身が楽しくなれて、人々を笑顔にできて、困難な課題に取り組むことができるような仕事を持つこと」と語ったことに強い印象を持ったと述べた。
また、クイーンズランド州観光局のピーター・ローラー(Peter Lawlor)局長は、「冒険好きで、ひどく活発」と応募用紙で自己紹介するサウスオールさんが、7月1日に管理人に就任した後は、インターネット上に熱心なファン層を獲得するだろうと語った。
サウスオールさんは、カナダ人の恋人ブレ(Bre)さんをオーストラリアに呼び、ハミルトン島で、ベッドルームが3部屋ある浜辺の豪華な家で暮らす予定だという。
発表前には、クイーンズランド州観光局のウェブサイトで公式発表の30分前に結果を掲載してしまうという大失敗もあったものの、このイベントに対する世界的な注目は非常に高く、1億1000万オーストラリアドル(約80億円)相当の宣伝効果を生み出した。
<ハミルトン島>
ハミルトン島は、ブリスベーン(Brisbane)の北約900キロのコーラル海(Coral Sea)に浮かび、74の島々から成るウィットサンデー諸島(Whitsunday Islands)の中で、人が住む島としては2番目に大きい。
同島には5平方キロメートルの熱帯雨林があるほか、島の70%は国立公園として保護されている。
地理学的には、ハミルトン島を含むウィットサンデー諸島は、最後の氷河期以前にはオーストラリア大陸とつながっていた「水没した山脈」である。
ウィットサンデー諸島の名前は、英探検家ジェームズ・クック(James Cook)が1770年6月4日の「ホワイトサンデー(White Sunday、聖霊降臨節)」の日に同諸島のそばを通過したことに由来する。
ハミルトン島は、ホノルル(Honolulu)やモーリシャスと同緯度の熱帯性気候の島で、年間平均気温は27.4度。
当初は観光地だったが、その後、同島の宿泊施設などの大半を経営するオートレー(Oatley)一族が、オーストラリア政府と長期賃貸契約を結んでいる。
島内では、業務用を除き自動車の使用は禁止されており、交通手段は主にゴルフカート。
島ではシュノーケリングやスキューバダイビング、釣り、セーリング、水上スキー、ウインドサーフィンなどが楽しめ、7-9月には移動するクジラも見ることができる。