ニューヨーク・地下鉄パフォーマー状況 | 金谷全朗の印象光景・ハッピーがそこにある!
ニューヨーク(New York)の地下鉄駅では、世界中のほぼすべての音楽を聴くことができるといっても過言ではない。だが、最近はもっぱら「エコノミック・ブルース」ばかりだ。

 ストリート・ミュージシャンたちは、すすけた地下鉄の駅を舞台に、オペラからドゥーワップ、マリアッチ、揚琴まで、朝から晩までありとあらゆる音楽を演奏しているが、最近は駅の利用者の注意を引くことが難しくなったという。

 トランペット奏者のロン・マイケルズ(Ron Michaels)さん(55)はタイムズスクエア(Times Square)駅で、「一日中演奏してもこれだけだよ」と語り、20ドル(約1800円)に満たないコインや紙幣の入った古いコーヒー缶を見せる。

「景気がこんなに悪くなるなんて想像もしなかったよ。ストリート・パフォーマーが困ってるとしたら、そりゃ深刻なはずだよ」(マイケルズさん)

 20年前の地下鉄の駅では、パフォーマーは珍しい存在だった。だが今や、ニューヨーク市の交通当局は、100の個人や団体に許可証を発行している。このほかにも、統計はとられていないものの、許可を受けず警察の目を避けながらパフォーマンスを行う者も増加しているとみられている。

 パフォーマーたちは、パフォーマンスを行う上で大事なことは金銭よりも愛だと強調する。