09年春夏オートクチュールコレクションの状況! | 金谷全朗の印象光景・ハッピーがそこにある!
フランス・パリで26日に開幕した09年春夏オートクチュールコレクション。今シーズンは、金融危機の影響で通常4日の開催日数を3日に短縮し、参加メゾンの数も例年より減少した。

 「クリスチャン ディオール(Christian Dior)」、「シャネル(Chanel)」、「クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)」、「ジバンシィ(Givenchy)」、「ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)、「ヴァレンティノ(Valentino)」といった大きなメゾンが変わらずに豪華なショーを展開する一方、小規模なメゾンは選択を強いられている。

 パリオートクチュール協会(The French Couture Federation)のディディエ・グランバック(Didier Grumbach)会長は、「昨年7月の参加は23メゾンだったが、今期はたったの20に減った」と話す。「我々は厳しい時代にショーを頑張りすぎないようアドバイスしています。不必要なお金をつかうべきではありません」とグランバック会長は言う。

 ランウェイ形式のショーを開催するには、かなりの資金が必要となる。アン・ヴァレリー・アッシュ(ANNE VALERIE HASH)も、「節約」のためショー形式のコレクションを断念したデザイナーのひとりだ。「スタッフにちゃんと給料を支払うためにも、ショーの発表は控えました」と語る。アンの新作はパレ・ロワイヤル(Palais Royal)のギャラリーに展示される。

 他にも「マウリツィオ・ガランテ(Maurizio Galante)」、「ジャンポール・ ノット(Jean Paul Knott)」、「マルク・ルビアン(Marc le Bihan)」、「ブーディカ(Boudicca)」がショー形式のコレクションを中止。中には、ブゥディカのようにネット上でコレクションを発表するメゾンもある。

 巨大なメゾンも、金融危機と無関係ではない。近年パリのグラン・パレ(Grand Palais)でコレクションを発表していたシャネルは、今シーズンは本社のあるカンボン通り近くでプレゼンテーション形式のショーを発表することになった。メゾン側は、会場を変えたのは「経済的な理由からではなく、その時期グランパレが開いていなかったから」と説明するが、シャネルはつい最近世界の大都市をパビリオンごと巡回するアート・プロジェクト「モバイルアート(MOBILE ART)」を予定を繰り上げて終了すると発表したばかりだ。

 今シーズンは新人のデビューも少ない。唯一新しいデザイナーを迎えたのは「ヴェレンティノ(Valentino)」。前任者のアレッサンドラ・ファキネッティの後を継いだ、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)とピエール・パオロ・ピッチョーリ(Pier Paolo Piccioli)の2人に注目だ。