ミラノとパリに舞台に1月17日から25日まで開催される09/10秋冬メンズコレクション。心配されるのは、一連の金融危機が活気あるメンズウエア業界の勢いを弱まらせるのではないか、ということだろう。
21日から4日間に渡りショーや展示会が開催されるパリでは、経済危機にもかかわらず、過去最多の46メゾンが参加。中には、09年春夏のレディース・コレクションで称賛の嵐を巻き起こした英国の「ガレス・ピュー(Gareth Pugh)」、マドンナ(Madonna)やコートニ・ラヴ(Courtney Love)からも愛される「リック オウエンス(Rick Owens)」という注目の初参加メゾンもある。
■影響が出てくるのは来シーズン以降?
パリオートクチュール協会(The French Couture Federation)のディディエ・グランバック(Didier Grumbach)会長は、「今シーズンは金融危機の影響があるにも関わらず、今までで一番忙しい予定になっている」と語る。さらに「影響が出てくるのは次回のコレクションが行われる2009年の7月か、次々回の2010年の1月になるだろう」予測する。
■暗い時代にこそ明るい色
「エルメス(Hermes)」メンズ部門デザイナーのヴェロニク・ニシャニアン(Veronique Nichanian)は、「暗い時代にこそ明るい色が必要です」と語る。「みんなが黒とグレーばかり着ていては、物事は明るい方向には進みません。美しさが世界を救うのです」
「エマニュエル・ウンガロ(Emanuel Ungaro)」のフランク・ボクレ(Franck Boclet)も同じ考えを持っているようだ。「斬新なアイディアが浮かぶのは経済不況のときなのです。私たちは今まで以上にクリエイティブにならなくてはいけません」と語った。