イタリア/気を引く飾り馬 | 金谷全朗の印象光景・ハッピーがそこにある!
飾り馬

ヴェネチアから、車で北へ向かった。
30~40キロ離れたトレヴィーゾ(Treviso)に、暫く滞在するのだ。

その近郊に入ると、次々と広大な敷地の邸宅が現れる。
道路沿いのゲートからの並木道は、何百メートルものエントランスロード。
遥か彼方に見える、整然とした建物。
それらの多くはヴェネツィアの富裕層の別邸。
定期的に土・草花・木々・車・自転車などと身近に暮らす、そんな日常のためという。
我々旅行者にとっては、非日常の魅力がたっぷりのヴェネツィア。
しかし、家族の日常生活となると、当然そのような問題も生じて来るのだ。

トレヴィーゾは落ち着きのある、のどかな小都市。
街の中に美しく張り巡らされた堀が、独特の雰囲気を創りだしている。
ブラブラと散歩したくなる味わいの路地、魅力的なカフェやレストランも多い。

そのようなレストランでよく見かけたのが、テーブル上のオリーブオイルセット。
産地や色味も異なる3種の小ボトルが1組となっている。
それがベネトンの製品で、使う楽しさやデザインもなかなかの優れものなのだ。
街の多くのレストランで置かれているのは、アパレルグループのベネトン社の本拠地はトレヴィーゾという理由から。

また、ヴェネト州のこの地は、同州にあるグラッパの街にも程近い。
だからレストランの食後酒では、何10種ものグラッパを載せたワゴンがやって来るのだ。
ちなみにグラッパは、ワインのブドウを搾ったその皮から作られる酒。
好みにもよるが、ワインでの食事の締めにピッタリな食後酒だ。
このようなグラッパのチョイスも、この街での食事を盛り上げる。


さて、散歩途中の路地でフッと目が留った。
古い石造りの建物の玄関脇。
石壁が彫り込まれ、中には黒い鋳物の馬の首。
縁起の飾り物? オーナーが馬好き? 愛馬のメモリー?
・・・・・・・
通りがかりの人が触るのだろう。
馬はテカテカ、石の穴の周りも削れている。
何十万人が触れたかな?  
いや、それ以上だろう。

僕も滞在中、通る度に飾り馬に触れていた。

気を引く力を感じる、飾り馬!

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