
再度Thaiのその水辺に行ったのは、1年後のCMロケ。
撮影オフの日に、思い切った早起きで出かけてみたのだ。
あたり一帯の風景には、未だ濃いめにのっているブルーの早朝色彩。
静かで落ち着いた水辺には、水蒸気のベールが柔らかに柔らかに立ち昇っていく。
そんな空気感の中、ピンクバイオレットに見える睡蓮花の何とも美しく、素晴らしい事。
前回よりだいぶ蕾み気味の睡蓮花が創り出す、前回とは異なる感じの極上世界だ。
その場でどれくらいの時間が経っただろう、気温が上がり急に湿気を感じだす。
睡蓮花に太陽光が射し、光のタッチでピンクの色調がグーッと強くなってきた。
と、ひとつの睡蓮花がバサッと音をたて大きく開いた。
いや、音を感じさせる様な見事な開き方だった。
そして、次々にバサッ、バサッ、バサッ、バサッ・・・と。
僕は五感を全開にして、その光景の中で立ち尽くしていた。
ZenRo
