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トマスによる福音書

ベルリン・コプト・グノーシス文書ワーキンググループによる原訳。
『四福音書』第2版(1997年)より抜粋。
スティーブン・J・パターソンとジェームズ・M・ロビンソンによる改訂版。
パターソン、ロビンソン、ベスゲ著『第五福音書』(トリニティ・プレス・インターナショナル、1998年)より。

 

 

これらは、生けるイエスが語られた隠された言葉です。
そして、ディディモス・ユダ・トマスはそれを書き記しました。

(01) そしてイエスは言われました。「これらの言葉の意味を見出す者は、死を味わうことはありません。」

(02) イエスは言われます。
(1) 「探し求める者は、見出すまで探し求めることをやめてはならない。
(2) 見出すと、彼は落胆する。
(3) 落胆すると、彼は驚嘆する。
(4) そして、彼は万物の王となる。」

(03) イエスは言われます。
(1) 「もしあなたがたを導く者たちが、『見よ、御国は天にある』と言うなら、空の鳥はあなたがたに先んじて進みます。
(2) もし彼らが、『海にある』と言うなら、魚はあなたがたに先んじて進みます。
(3) むしろ、御国はあなたがたの内にもあり、またあなたがたの外にも存在するのです。」
(4)「あなたがたが自分自身を知れば、あなたがたは他の人に知られるようになり、
あなたがたは生ける父の子どもであることを悟るでしょう。
(5)しかし、もしあなたがたが自分自身を知ろうとしないなら、あなたがたは貧しさの中にあり、あなたがた自身も貧しさなのです。」

(04)イエスは言われます。
(1)「年老いた人は、その年のうちに七日目の幼子に、命の場所について尋ねることをためらいません。そして、彼は生きるでしょう。
(2)多くの最初の者が最後になり、(3)彼らはただ一人になるからです。」

(05)イエスは言われます。
(1)「あなたの前にあるものを知りなさい。そうすれば、あなたに隠されていることが、あなたに明らかになるでしょう。
(2)隠されているもので、明らかにならないものは一つもありません。」

(06)
(1)弟子たちはイエスに尋ねました。「断食をすべきでしょうか。どのように祈り、どのように施しをすべきでしょうか。どのような食事を守るべきでしょうか。」
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(2) イエスは言われます。「偽りを言ってはならない。(3) 憎むことをしてはならない。
(4) すべては真理によって明らかにされるからである。
(5) 隠されているもので、あらわにならないものは一つもない。
(6) 覆われているもので、あらわにならないものは一つもない。」

(07) イエスは言われます。
(1) 「人に食べられる獅子は幸いである。獅子は人間となる。
(2) 獅子に食べられ、獅子が人間となる人は、呪われる。」

(08)
(1) そして彼は言う。「人は賢い漁師のようだ。彼は海に網を投げ入れ、小さな魚でいっぱいの海からそれを引き上げた。
(2) 賢い漁師はその中に、大きくて立派な魚を見つけた。
(3) 彼は小さな魚をすべて海に戻し、大きな魚を難なく選んだ。
(4) 聞く耳のある者は聞くがよい。」

(09) イエスは言われる。
(1)「見よ、種蒔き人が出て行った。彼は手に種をいっぱいに詰め、まいた。
(2) あるものは道に落ち、鳥が来てついばんだ。
(3) ほかの種は岩に落ち、土に根を張らず、穂も出なかった。
(4) また、ほかの種は茨の中に落ち、茨が種をふさいでしまい、虫がそれを食べてしまった。
(5) ほかの種は良い土に落ち、良い実を結んだ。一斗六十、一斗百二十の実を結んだ。」

(10) イエスは言われる。「わたしは世に火を投げた。見よ、わたしはそれが燃え上がるまでそれを守る。」

 

 

(11) イエスは言われました。
(1) 「この天は滅び、その上にある天も滅びます。
(2) 死者は生きず、生きている者は死なない。
(3) あなたがたは、死んだものを食べた日に、それを生かした。
光の中にいるとき、あなたは何をするのですか。
(4) あなたがたは一つであった日に、二つになった。
二つになったとき、あなたは何をするのですか。

(12)
(1) 弟子たちはイエスに言った。「私たちは、あなたが私たちから去って行かれることを知っています。
では、だれが私たちを支配するのでしょうか?」
(2) イエスは弟子たちに言われた。「あなたがたはどこから来たとしても、義なるヤコブのところへ行きなさい。天地は彼のために創造されたのです。」

(13)
(1) イエスは弟子たちに言われた。「わたしと比べて、わたしがだれに似ているか教えてください。」
(2) シモン・ペテロはイエスに言った。「あなたは正しい使者のようです。」
(3) マタイはイエスに言った。「あなたは(特に)賢い哲学者のようです。」
(4) トマスはイエスに言った。「先生、あなたはだれに似ているのか、私にはとても言えません。」
(5) イエスは言われた。「わたしはあなたがたの先生ではありません。あなたたちは、わたしが量り出した湧き出る泉に酔いしれているからだ。」
(6) そこでイエスはトマスを連れて行き、退いて、三つの言葉を彼に告げた。
(7) しかし、トマスが仲間のところに戻って来ると、彼らは彼に尋ねた。
「イエスは何と言いましたか。」
(8) トマスは彼らに言った。「もしわたしが、イエスがわたしに言われた言葉を一つでも話せば、あなたたちは石を拾い上げてわたしに投げつけ、石から火が出てあなたたちを焼き尽くすでしょう。」

(14) イエスは彼らに言われた。
(1)「断食すれば、あなたたちは自ら罪を負うことになる。
(2)祈れば、罪に定められる。
(3)施しをすれば、あなたたちは自分の霊に害を及ぼす。
(4) また、どこかの国へ行き、あちこちをさまよい歩き、もしそこに宿を与えられたら、
(そこで)出されるものを食べなさい。そして、その中の病人を癒しなさい。」彼らに!
(5) あなたの口に入るものはあなたを汚さない。
むしろ、あなたの口から出るものがあなたを汚すのだ。」


(15) イエスは言われる。「女から生まれていない者を見たら、
ひれ伏して拝みなさい。その者はあなたの父である。」

(16) イエスは言われる。
(1) 「人々は、わたしが地上に平和をもたらすために来たと思っているかもしれない。
(2) しかし彼らは、わたしが地上に争い、すなわち火と剣と戦争をもたらすために来たことを知らない。
(3) 一つの家に五人いるであろう。三人が二人に、二人が三人に、父が息子に、息子が父に敵対するであろう。
(4) そして彼らは孤独な者のように立ち尽くすであろう。」

(17) イエスは言われる。「わたしは、目がまだ見ず、耳がまだ聞かず、手が触れず、人の心に思い浮かんだことのないものを、あなたたちに与える。」

(18)
(1) 弟子たちはイエスに言った。「私たちの終わりはどうなるのか、教えてください。」
(2) イエスは言われた。「あなたは今、終わりについて尋ねていますが、すでに初めを知ったのですか。
初めがあるところに、終わりもあるからです。
(3) 初めに立つ人は幸いです。
その人は終わりを知り、死を味わうことはありません。」

(19) イエスは言われた。

(1)「存在する前に存在していた人は幸いです。
(2) あなたがたがわたしの弟子となり、わたしの言葉に耳を傾けるなら、これらの石はあなたがたのためになるでしょう。
(3) あなたがたの楽園には五本の木があります。それは夏も冬も色を変えず、葉も落ちません。

(4) それを知る者は死を味わうことはありません。」

(20)
(1) 弟子たちはイエスに言った。「天の御国はだれに似ているか、教えてください。」
(2) イエスは彼らに言われた。「それはからし種のようなものである。(3) 種の中で最も小さい。
(4) しかし、耕された土に落ちると、大きな枝を出して、空の鳥の隠れ家となる。」

(21)
(1) マリアはイエスに言った。「あなたの弟子たちはだれに似ていますか。」
(2) イエスは言われた。「彼らは、自分のものではない畑を託された奴隷のようなものです。
(3) 畑の所有者たちがやって来て、『私たちの畑をください』と言うでしょう。
(4) しかし、彼らはそれを彼らに譲るために、彼らの前で裸になります。」
(5) だからこそ、わたしはこう言うのです。『家の主人は、盗人が来ると知ると、来る前に警戒し、盗人が自分の家に、自分の領地に押し入って財産を盗み去ることを許さない。』
(6) しかし、あなたたちは世に警戒しなさい。
(7) 力強く腰帯を締めなさい。そうすれば、盗人はあなたたちに近づく道を見つけられない。」
(8) あなたたちが待ち望んでいるものは、必ず見つかる。
(9) あなたたちの中には、賢い人がいるはずだ。
(10) 実が熟すると、彼は鎌を手に急いで来て、それを刈り取った。
(11) 聞く耳のある者は聞くがよい。」

 

(22)
(1) イエスは乳飲み子をご覧になった。
(2) 弟子たちに言われた。
「乳飲み子であるこれらの幼子たちは、御国に入る者たちのようです。」
(3) 彼らはイエスに言った。「では、私たちは幼子のように御国に入るのでしょうか。」
(4) イエスは彼らに言われた。「あなたがたが二つを一つにし、
内を外のように、外を内のように、
上を下のようにし、
(5) すなわち、男と女を一つにし、
男が男でなく、女が女でないようにし、
(6) 目の代わりに目を、
手の代わりに手を、足の代わりに足を、
像の代わりに像を造るとき、(7) そのとき、あなたがたは[御国]に入るのです。」

(23) イエスは言われた。
(1) 「わたしはあなたがたを千人の中から一人、万人の中から二人を選ぶ。
(2) 彼らは一人の者として立つであろう。」

(24)
(1) 弟子たちは言った。「あなたのおられる場所を、私たちに教えてください。
私たちはそれを求めなければなりません。」
(2) イエスは彼らに言われた。「耳のある者は聞きなさい。
(3) 光のある人の内には光があり、その人は全世界を照らします。
もし輝いていなければ、そこには闇があります。」

(25) イエスは言われた。
(1) 「あなたの兄弟を命のように愛しなさい。
(2) あなたの目の中の玉のように彼を守りなさい。」

(26) イエスは言われた。
(1) 「あなたは兄弟の目にある木片は見えるが、自分の目にある梁は見えない。
(2) 自分の目から梁を取りのければ、兄弟の目から木片を取りのけることができるようになる。」

(27)
(1) 「もし世から離れなければ、神の国を見いだすことはできない。」 (2) 安息日を安息日としなければ、あなたたちは父を見ることはないでしょう。」

(28) イエスは言われます。
(1) 「わたしは世の真ん中に立ち、肉の姿で彼らに現れた。
(2) わたしは彼らが皆酔っているのを見た。渇いている者は一人も見なかった。
(3) わたしは人の子らのために心を痛めた。
彼らは心が盲目で、何も見えないからである。
彼らは空っぽの状態でこの世に生まれ、空っぽの状態でこの世を去ろうとも願っている。
(4) しかし、今は酔っている。
(しかし) 酒を振り払えば、考えを変えるだろう。」

(29) イエスは言われます。
(1) 「もし肉が霊によって造られたのであれば、それは不思議である。
(2) しかし、もし霊が肉体によって造られたのであれば、それは不思議中の不思議である。」 (3)しかし、この大きな富が、どうしてこの貧困の中に住み着いているのか、私は不思議に思う。」

(30)イエスは言われる。
(1)「三人の神があれば、彼らは神である。
(2)二人か一人の神があれば、私は彼と共にいる。」

(31)イエスは言われる。
(1)「預言者は自分の村では受け入れられない。
(2)医者は自分を知っている者を癒すことはない。」

(32)イエスは言われる。「高い山の上に建てられ、堅固な町は倒れることも、隠れることもできない。」

(33)イエスは言われる。
(1)「あなたがたの耳で聞くことを、(もう一方の耳で)屋根の上から告げ知らせなさい。
(2)ともしびをともして、それを枡の下に置いたり、隠れた場所に置く人はいない。
(3) むしろ、それを燭台の上に置くのです。出入りするすべての人がその光を見るためです。」

(34) イエスは言われます。「盲人が盲人を導くと、二人とも穴に落ちてしまいます。」

(35) イエスは言われます。
(1) 「強い人の家に入って、手を縛らない限り、無理やり奪い取ることはできません。」 (2) そして彼は自分の家を略奪するでしょう。」

(36) イエスは言われました。「朝から晩まで、晩から朝まで、何を着るかと心配してはならない。」

(37)
(1) 弟子たちは言いました。「いつあなたは私たちに現れますか。私たちはいつあなたに会えるのですか。」
(2) イエスは言われました。「あなたがたが恥ずかしがらずに服を脱ぎ、幼子のように足の下に敷き、踏みつけるならば、
(3) 生ける者の子を見るでしょう。そして恐れることはありません。」

(38) イエスは言われました。
(1) 「あなたがたは、わたしが話しているこれらの言葉を何度も聞きたいと願ったが、他に聞く人がいない。
(2) あなたがたはわたしを捜しても、見つけられない日が来る。」

(39) イエスは言われました。
(1) 「パリサイ人と律法学者たちは知識の鍵を受けたが、それを隠してしまった。」 (2)彼らは入ることができず、また入ることを望む者にも入ることを許さなかった。
(3)しかし、あなた方は蛇のように賢く、鳩のように純真であれ!」

 

 

(40) イエスは言われる。
(1)「ぶどうの木が父の(ぶどう園)の外に植えられた。
(2)支えられていないので、根こそぎ引き抜かれ、枯れてしまう。」

(41) イエスは言われる。
(1)「手に何かを持っている人には、さらに何かが与えられる。
(2)何も持っていない人には、持っているわずかなものさえも取り上げられる。」

(42) イエスは言われる。「通り過ぎる人になりなさい。」

(43)
(1) 弟子たちはイエスに言った。「私たちにこんなことを言うとは、あなたはいったい何者ですか。」
(2)「私があなたたちに話していることから、私が誰であるかが分からないのですか。
(3) ところが、あなたたちはユダヤ人のようになってしまったのです。
彼らは木は愛するが、その実を憎むのです。」

(44) イエスは言われます。
(1)「父を冒涜する者は、赦されるであろう。
(2) 子を冒涜する者は、赦されるであろう。
(3) しかし、聖霊を冒涜する者は、地上でも天でも、赦されることはない。」

(45) イエスは言われます。
(1)「いばらからはぶどうは採れず、あざみからはいちじくは採れない。それらは実を結ばないからである。(2) 善人は自分の宝から善を取り出し、(3) 悪い人は自分の心にある悪い宝から悪を取り出し、悪を語る。(4) 心の満ち溢れるものから悪を取り出すからである。」

(46) イエスは言われる。
(1)「アダムから洗礼者ヨハネに至るまで、女から生まれた者の中で、洗礼者ヨハネを超える者は一人もいない。ヨハネは目を伏せる必要などない。(2) しかし、わたしはまた言った。『あなたがたのうちで小さくなる者は、御国を知り、ヨハネを超えるであろう。』」

(47) イエスは言われる。
(1)「人が二頭の馬に乗り、二つの弓を伸ばすことは不可能である。(2) しもべが二人の主人に仕えることも不可能である。もしそうするなら、一方を敬い、他方を侮辱するであろう。(3) 古いぶどう酒を飲んですぐに新しいぶどう酒を飲みたがる者はいない。(4) 新しいぶどう酒を古い皮袋に入れてはならない。破れないためである。古いぶどう酒を新しい皮袋に入れてはならない。腐らないためである。(5) 古い継ぎはぎを新しい着物に縫い付けてはならない。破れてしまうからである。」

(48) イエスは言われる。「もし二人が同じ家で互いに和睦するなら、
(そのとき)彼らは山に向かって『立ち去れ』と命じる。すると、山は立ち去るであろう。」

(49) イエスは言われる。
(1)「孤独な者、選ばれた者たちは幸いである。あなた方は神の国を見つけるであろう。
(2)あなた方はそこから来て、またそこに戻るであろう。」

(50) イエスは言われた。
(1) もし彼らがあなた方に、『あなた方はどこから来たのか』と尋ねたら、『私たちは光から来たのです。光がひとりでに生じ、自らを定め、そのかたちに現れるところから来たのです』と言いなさい。
(2) もし彼らがあなた方に、『あなた方ですか』と尋ねたら、『私たちは神の子であり、生ける父に選ばれた者です』と言いなさい。
(3) もし彼らが、『あなた方の中で、父のしるしは何ですか』と尋ねたら、『動きと静けさです』と言いなさい。」

(51)
(1) 弟子たちはイエスに言った。「死者の復活はいつ起こるのですか。新しい世界はいつ来るのですか。」
(2) イエスは言われた。「あなた方が待ち望んでいるもの(復活)は(すでに)来た。だが、あなた方はそれを知らないのだ。」

(52)
(1) 弟子たちはイエスに言った。「イスラエルでは二十四人の預言者が語っており、皆あなたを通して語ったのです。」
(2) イエスは彼らに言われた。「あなた方は生きている者を自分たちから遠ざけ、死んだ者たちのことを語り始めたのです。」

(53)
(1) 弟子たちはイエスに言った。「割礼は益となるでしょうか、益となるでしょうか。」
(2) イエスは彼らに言われた。「もし益となるなら、彼らの父は母から割礼を受けた者をもうけるでしょう。
(3) しかし、霊による真の割礼は、すべてのものに勝っています。」

 

 

(54) イエスは言われました。「貧しい人々は幸いです。天の御国はあなた方のものです。」

(55) イエスは言われました。
(1)「父と母を憎まない者は、わたしの弟子となることはできません。
(2) 兄弟と姉妹を憎まず、わたしのように自分の十字架を負わない者は、わたしにふさわしくありません。」

(56) イエスは言われました。
「世を知る者は、死体を見出したのです。
そして、(この)死体を見出した者には、世はふさわしくありません。」

(57) イエスは言われる。
(1)「父の王国は、(良い)種を蒔いた人のようだ。
(2) 夜、敵が来て、良い種の中に毒麦を蒔いた。
(3) その人は(召使いたちに)毒麦を引き抜かせなかった。
イエスは彼らに言われた。『毒麦を引き抜こうとして、小麦も一緒に引き抜いてはならない。』
(4) 収穫の日に毒麦は明らかになり、引き抜かれて焼かれるからである。

(58) イエスは言われる。「苦労した人は幸いである。その人は命を得たのだ。」

(59) イエスは言われる。「生きている間に、生ける者を捜し求めなさい。
死んでから見ようとすれば、
見ることができないであろう。」

(60)
(1) イエスは、ユダヤへ向かう途中、あるサマリア人が子羊を盗もうとしているのを見かけました。
(2) イエスは弟子たちに言われました。「あの人は子羊を狙っています。」
(3) 彼らはイエスに言いました。「それを殺して食べるためです。」
(4) イエスは彼らに言われました。「生きている間は食べません。殺して死体になってから食べます。」
(5) 彼らはイエスに言いました。「そうでなければ、食べられません。」
(6) イエスは彼らに言われました。「あなたたちも、死体になって食べられないように、休む場所を探しなさい。」

(61)
(1) イエスは言われました。「二人が寝床に横たわります。一人は死に、もう一人は生きます。」
(2) サロメは言った。「あなたは一体何者なのですか。あなたは私の寝床に<よそ者>として座り、私の食卓から食事をしたのです。」
(3) イエスは彼女に言われた。「私は、常に同じ方から来た者です。私は父のものの一部を与えられました。」
(4) 「私はあなたの弟子です!」
(5) 「それゆえ、私は言います。もし人が<神>のようになるなら、彼は光に満ちるでしょう。しかし、もし人が神から離れて<神>と一体になるなら、彼は闇に満ちるでしょう。」

(62) イエスは言われた。
(1) 「私は、私の奥義を、私の奥義にふさわしい者に語るのです。」
(2) 「あなたの右の手が何をしようと、あなたの左の手は自分が何をしているのかを知らないようにしなさい。」

(63) イエスは言われました。
(1) 「ある金持ちがいました。たくさんの財産を持っていました。
(2) 彼は言いました。『私は自分の財産を使って種を蒔き、刈り取り、植え、実りで倉を満たし、何一つ欠けることがないようにしよう。』
(3) 彼は心の中でこのように考えていました。そして、その夜、彼は息を引き取りました。
(4) 耳のある者は聞きなさい。」

(64) イエスはこう言われる。
(1) 「ある人に客がいた。晩餐の準備を終えると、客を招くために僕を遣わした。
(2) 僕が最初の客のところに来て、『主人があなたを招いています』と言った。
(3) 僕が言った。『商人たちへの請求書があります。今晩、彼らが私のところに来るので、私が行って指示します。晩餐には参加しません』。
(4) 僕が別の客のところに来て、『主人があなたを招いています』と言った。
(5) 僕が言った。『家を買ったのですが、一日だけ呼び出されました。時間がありません』。
(6) 僕が別の客のところに行って、『主人があなたを招いています』と言った。
(7) 僕が言った。『友人が結婚することになり、私が食事の準備をすることになりました。私は出席できません。晩餐には参加しません』。
(8) 僕が上がって来た。ある人にこう言った。「主人があなたを招待しています。」
(9) 彼は言った。「村を買ったのですが、家賃を徴収するので行けません。申し訳ありません。」
(10) 僕は立ち去り、主人に言った。
「あなたが晩餐に招いた人たちが、欠席したいと言っています。」
(11) 主人は僕に言った。「道に出て行き、見つけた人を連れて帰って晩餐にさせなさい。」
(12) 商人や貿易商は、わたしの父の所に入れません。」

 

(65) イエスは言われた。「ある高利貸しがぶどう園を所有していた。彼は農民たちに畑を耕させ、収穫物を受け取らせようと、それを農民たちに与えた。(2) 彼は農民たちにぶどう園の収穫物を受け取らせようと、僕を遣わした。(3) 彼らは僕を捕らえ、殴打し、殺しかけた。僕は主人に報告した。
(4) 主人は言った。『もしかしたら、彼らは僕だと気づかなかったのかもしれない』。
(5) 彼は別の僕を遣わしたが、農民たちはその僕も殴った。
(6) そこで主人は自分の息子を遣わし、『もしかしたら、私の息子なら敬意を払ってくれるかもしれない』と言った。
(7) しかし、農民たちは彼がぶどう園の相続人であることを知っていたので、彼を捕らえ、殺した。
(8) 耳のある者は聞きなさい。」

(66) イエスは言われた。「建築者たちが捨てた石を見せなさい。それが隅の親石である。」

(67) イエスは言われる。「すべてを知る者は、もし何か一つでも欠けているなら、(すでに)すべてに欠けているのである。」

(68) イエスは言われる。
(1)「人々があなたたちを憎み、迫害する時、あなたたちは幸いである。
(2)しかし、彼ら自身は、あなたたちを迫害した場所には、どこにも居場所を見いだせないであろう。」

(69) イエスは言われる。
(1)「心の中で迫害された人々は幸いである。彼らこそ真に父を知るようになった者である。」
(2)「望む者の腹を満たすために飢えに苦しむ人々は幸いである。」

(70) イエスは言われる。
(1)「もしあなたがたが自分の内にそれを持つならば、あなたがたが持っているものがあなたがたを救うであろう。
(2)もしあなたがたが自分の内にそれを持たないならば、あなたがたが自分の内に持っていないものがあなたがたを殺すであろう。」

(71) イエスは言われる。「わたしはこの家を壊す。そして、誰もそれを建てることはできない。」

(72)
(1) ある人がイエスに言った。「兄弟たちに、父の財産をわたしと分け合うように言いなさい。」
(2) イエスは言われた。「人よ、だれがわたしを分配者にしたのか。」
(3) イエスは弟子たちの方を向いて言われた。「わたしは分配者ではないでしょう。」

(73) イエスは言われる。
(a) 「収穫は豊かだが、働き手が少ない。
(b) 収穫に働き手を送ってくださるよう、主に願いなさい。」

(74) イエスは言われた。「主よ、井戸の周りには多くの人がいるが、井戸の中には何もない。」

(75) イエスは言われた。「戸口には多くの人が立っているが、婚礼の場に入るのは孤独な者たちだ。」

(76)イエスはこう言われます。
(1)「父の王国は、商品を持っていて真珠を見つけた商人のようです。
(2)その商人は思慮深いので、商品を売り、真珠だけを買いました。
(3)あなたたちも彼の宝を探しなさい。それは朽ちることなく、虫も近寄って食べることができず、虫も食い尽くすことのできない場所に留まります。」

 

 

(77) イエスは言われる。
(1)「わたしはすべてのものの上に輝く光である。わたしはすべてである。
すべてはわたしから出た。そして、わたしにすべてが来た。」
(2)「木を割ってみよ。そこにわたしはいる。
(3)石を持ち上げてみよ。そうすれば、そこにわたしを見つけるだろう。」

(78) イエスは言われる。
(1)「なぜあなたは田舎へ行ったのか。風に揺れる葦を見ようと、
(2)王や偉人のように柔らかい衣を着た人を見ようとしたのか。
(3)彼らは柔らかい衣を着ており、真理を見分けることができない。」

(79)
(1)群衆の中の一人の女がイエスに言った。「あなたを宿した胎と、あなたを養った乳房に、万歳。」
(2) イエスは彼女に言われた。「父の言葉を聞いて、それを忠実に守った人々に平安あれ。
(3) あなた方は、『宿らなかった胎に平安あれ。乳を出さなかった乳房に平安あれ』と言う日が来るであろう。」

(80) イエスは言われた。
(1) 「世を知る者は、(死体の)遺体を見つけた。
(2) しかし、(死体の)遺体を見つけた者には、世はふさわしくない。」

(81) イエスは言われた。
(1) 「富んだ者は王となるべきである。
(2) 権力を持つ者はそれを捨てよ。」

(82) イエスは言われた。
(1) 「わたしに近づく者は火に近づく。
(2) わたしから遠い者は神の国から遠い。」

(83) イエスは言われる。
(1)「人は自分の姿を見ることができるが、その光は姿の中に隠されている。
(2) 父の光は現れるが、その姿は光によって隠されている。」

(84) イエスは言われる。
(1)「あなた方は自分の姿を見るとき、喜びに満たされる。(2)しかし、あなた方より前に存在していた自分の姿を見るとき、それらは死ぬことも、現れることもない。あなた方はどれほどのことを耐えることができるだろうか。」

(85) イエスは言われる。
(1)「アダムは大いなる力と富を持って生まれた。しかし、あなた方にふさわしくなかった。
(2)もし彼がふさわしかったなら、死を味わうことはなかったであろう。」

(86) イエスは言われる。
(1)「[狐には]穴があり、鳥には巣がある。
(2)しかし、人の子には頭を横たえて休む場所がない。」

(87) イエスは言われる。
(1)「肉体に依存する肉体は惨めである。
(2)そして、この二つに依存する魂も惨めである。」

(88) イエスは言われる。
(1)「使徒と預言者たちはあなたたちのところに来る。そして、あなたたちの所有物を与えるだろう。
(2)そしてあなたたちは、手に持っているものを彼らに与え、心の中で言うのだ。『いつ彼らは来て、自分たちの所有物を取り去るのだろうか。』」

(89) イエスは言われる。
(1)「なぜ杯の外側を洗うのか。
(2)内側を創造した者は、外側も創造したのだということが分からないのか。」

 

 

(90) イエスは言われる。
(1)「わたしのもとに来なさい。わたしのくびきは軽く、わたしの支配は温和である。
(2) そうすれば、あなたたちは安らぎを得るであろう。」

(91)
(1) 彼らはイエスに言った。「あなたがたが誰であるかを教えてください。そうすれば、私たちはあなたを信じます。」
(2) イエスは彼らに言われた。「あなたたちは天と地の面を調べても、
あなたがたの前におられる方をあなたがたは認めず、
この機会をどう試せばよいか知らない。」

(92) イエスは言われる。
(1)「求めよ、そうすれば見いだすであろう。
(2) しかし、あなたがたが昔わたしに尋ねたこと、
あの日にわたしがあなたがたに告げなかったことを、
今わたしはあなたがたに告げようと思っている。しかし、あなたがたはそれを求めない。」

(93)
(1)「聖なるものを犬に与えてはならない。糞山に投げ捨ててしまうからである。
(2)豚に真珠を投げてはならない。豚がそれを泥に変えてしまうからである。」

(94)イエスはこう言われる。
(1)「探す者は見つける。
(2)門をたたく者には、開かれる。」

(95)[イエスはこう言われる。]
(1)「もしあなたが金を持っているなら、利子を付けて貸してはならない。
(2)むしろ、あなたがたが返してもらいたくない人に与えなさい。」

(96) イエスは言われる。
(1)「父の国は女のようだ。
(2) 彼女は少量のパン種を取り、それを練り粉の中に隠して、大きなパンを焼いた。
(3) 耳のある者は聞きなさい。」

(97) イエスは言われる。
(1)「父の国は、小麦粉の入った壺を背負った女のようだ。
(2) 彼女が家から遠く離れた道を歩いていると、壺の取っ手が壊れて、小麦粉が道にこぼれた。
(3) しかし彼女は気づかず、何も問題だとは思わなかった。
(4) 家に着くと、壺を床に置くと、空になっているのがわかった。」

(98) イエスは言われる。
(1)「父の国は、権力者を殺そうとした人のようだ。」 (2) イエスは家の中で剣を抜き、壁に突き刺して、自分の手が(十分に)強いかどうかを試された。
(3) そして、力の強い者を殺した。

(99)
(1) 弟子たちはイエスに言った。「あなたの兄弟と母が外に立っています。」
(2) イエスは彼らに言われた。「ここにいる、わたしの父の御心を行う者たちが、わたしの兄弟、わたしの母です。
(3) 彼らこそがわたしの父の王国に入る者たちです。」

(100)
(1) 彼らはイエスに金貨を見せて言った。「皇帝の民が私たちに税金を要求しています。」
(2) イエスは彼らに言われた。「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に与えなさい。」 (4)わたしのものはわたしに与えなさい。」

(101)
(1)わたしのように自分の父と母を憎まない者は、わたしの弟子となることはできない。
(2)わたしのように自分の父と母を愛さない者は、わたしの弟子となることはできない。
(3) わたしの母は…わたしの命を与えてくださったが、わたしの本当の母は…わたしの命を与えてくださった。」

(102) イエスは言われる。「パリサイ人たちは災いである。彼らは牛の飼い葉桶で眠る犬のようだ。犬は食べず、牛にも食べさせない。」

(103) イエスは言われる。「強盗が家のどこから入ってくるかを知っている人は幸いである。そうすれば、強盗が入ってくる前に、立ち上がって自分の領地をまとめ、腰帯を締めることができる。」

(104)
(1) 彼らはイエスに言った。「さあ、今日、祈りと断食をしましょう!」
(2) イエスは言われた。「わたしはどんな罪を犯したのか、あるいは何に打ち負かされたのか。 (3) しかし、花婿が婚宴から出てきたら、断食して祈りなさい。」

(105) イエスは言われました。「父と母を知るようになる者は、娼婦の子と呼ばれるでしょう。」

(106) イエスは言われました。
(1) 「二人を一つにすると、あなた方は人の子となるでしょう。
(2) そして、あなたが『山よ、去れ』と言えば、去ってしまいます。」

(107) イエスは言われました。
(1) 「御国は百匹の羊を飼っている羊飼いのようです。
(2) 羊のうち、一番大きな一匹が迷い出ました。彼は九十九匹を残して、一匹を見つけるまで捜し続けました。
(3) 羊飼いは苦労して一匹の羊に言いました。『私は九十九匹よりもあなた方を愛しています。』」

 

 

(108) イエスは言われる。
(1)「わたしの口から飲む者は皆、わたしのようになる。
(2)わたし自身がその人となり、
(3)隠されているものがその人に現される。」

(109) イエスは言われる。
(1)「御国は、自分の畑に宝を隠しておいて、何も知らない人のようだ。
(2)彼は死んでそれを息子に残したが、息子も知らなかった。
彼はその畑を引き継いで売り払った。
(3)それを買った人が来て、耕しているときに宝を見つけた。
彼は自分の望む人に、利子を付けて金を貸し始めた。」

(110) イエスは言われる。「世を見つけて富んだ者は、世を捨てよ。」

(111) イエスはこう言われます。
(1)「天と地はあなたの前に巻き上がる。
(2) 生きている者によって生きる者は、死を見ることがない。」
(3) イエスはこう言われます。「自分自身を見いだした者には、世界は値しない。」

(112) イエスはこう言われます。
(1)「魂に頼る肉は災いなり。
(2) 肉に頼る魂は災いなり。」

(113)
(1) 弟子たちはイエスに尋ねました。「御国はいつ来るのですか。
(2) それは、待ち望んでいるうちに来るのではありません。
(3) 彼らは、『見よ、ここだ!』とか、『見よ、あそこだ!』とは言いません。
(4) 父の御国は地上に広がっていますが、人々はそれを見ないのです。」

(114)
(1) シモン・ペトロは彼らに言った。「マリアを私たちから去らせなさい。女は命に値しないからです。」
(2) イエスは言われた。「見よ、わたしは彼女を男に引き寄せ、
彼女もあなたたちと同じように、生きた男の霊となるように。」
(3) (しかし、わたしはあなたたちに言う。「男になる女は皆、天の御国に入るであろう。」

福音書
トマスによる