「おれにそっくり―PTAざんげの歌―」
相田みつを
運動会ではいつもビリ
子供の頃のおれにそっくり
鉄棒やれば逆あがりもダメ
歌を歌えば全く音痴
おれが子供のころと同じだ
そろばんはじけば
のろくてまちがう
ハサミを使えば出しッぱなし
さがすときには大さわぎ
おやじのおれに
やることそっくり
宵ッぱりの朝ねぼう
背ばかりヒョロヒョロ体力なし
ちょッと寒けりゃすぐくしゃみ
理くつばかりで
からだがさっぱり
自分じゃ動かず
人ばかり使う
テレビ見るのも寝ころんで
わるいところが親に似た
わるいところが親ゆずり
わるいところが
おれそっくり
いやなところが
おれそっくり
育てたように子は育つ
「ビ リ」
山辺小学校の
運動会の音楽がよく聞こえてきます
運動会ではいつもビリだったわたしは
運動会はいやでした
六年生の時などは
ノッポでビリのわたしと
わたしの前を走る小柄なB君との間が
二メートルも開いちゃッて
大変恥かしい思いをしました
しかし、いまにして思うと
わたしがビリにならなければ
わたしの代わりに
だれかがビリになったのだ
ビリにはビリの役割があったのだ
と考えるようになりました
それでも我が子が小学校の運動会で
ビリから二番目を走るのを見た時
「オレより速い!!オレより速い!!」と
涙が出るほど感激したものです
※山辺小学校はみつをの長女と私の母校です。
当時、みつをはPTA会長でした。
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