
世の中には健康食品の情報が溢れている。ああしないといけない、これが必要、これが有害、だからこうしろ。
でも、バイオ創薬の仕事をしていていつも思うことがある。
人間はもっと自分の体のチカラを信じた方がいい。
例えばデトックス。
「トキシン(毒)」を解毒、排出という意味だが、デトックス食品?
毒が溜まってる?どこに。何毒が?
食べて解毒?◯◯を食べると毒が排出?
毒って、具体的に何を指してるの?解毒の作用機序は?エビデンスは?そのレベルは?
もう子供の怪談と同じレベルのファンタジーである。
人体最大の「解毒」器官は肝臓であり、その効率も処理量もケタ違いだ。
くだらん事する金と暇があったら、昼寝でもしておいた方がよほど肝臓の助けになる。
人体は別になにも特別な健康法を実施しなくても、必死で健康を維持しようと24時間365日不眠不休で働いている。
ちゃんと普通に色々食べて、適当に体動かして、ちゃんと寝る。
いっぱい笑って、しっかり怒って、泣きたいときゃ泣く。
それだけで「健康食品」は無用である。
あまり大きな声で言っちゃ悪いが、ヒトの寿命は健康法よりホントは大半は個体別遺伝的要素で決まるし、ぶっちゃけ薬は体の治ろうとする力を助けているだけで、別に治している訳ではない。
必死でお肌のケアに努めてもなかなかキレイにならない人もいれば、笑えるほど何にもしないくせに、いつまでも美肌の人もいる。
下手なスキンケアグッズに遥かに勝るのは実は体質であり、生物学的個体差、遺伝的形質だったりする。
日焼けしたら腫れて赤くなる人と、キレイに小麦色になる人の違いだ。
その違いを、食べ物変えたら変えられますか?
体の健康を保っているのは健康食品ではなく、元々の体自身が持ってる維持力と治癒力だ。そしてそれは特別な事したり食べたりしなくても、本来ちゃんとあなたを1日でも長生きさせようと働いてくれているものである。
健康のためなら死んでもいい人には、「健康情報デトックス」をお勧めしたい。
え?じゃあロイテリ菌は要らないのかって?
要ります。超要ります。山ほど買って摂取しましょう(笑)