中国デベロッパーの最大手「碧恵園」は生き残れるか・学者から政治の舞台裏へ 宮崎正弘12/12 | imaga114のブログ

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和四年(2022)12月12日(月曜日)弐
        通巻第7550号
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 中国不動産デベロッパーの最大手「碧恵園」は生き残れるか
  CEOの楊恵研が株式237万株を売却
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 事実上、倒産したのは恒大集団。一社だけで負債は33兆円。
 社債に投資不適格レベルの烙印を押されたデベロッパーは数知れず、万達集団はテーマパーク、ホテル、映画館チェーンなどの本丸を売り払った。
 中国GDPの30%を不動産が占めてきた。

 業界最大手の「碧恵園」もご多分に漏れず経営危機が囁かれてきた
 12月9日、CEOの楊恵研女史は、手持ちの株式237万株を、JPモルガンを通じて第三者に売却したことを明らかにした。
これで彼女の持ち株は43%から36%となるが、筆頭株主に留まる。
中国女性財閥ナンバーワンといわれる彼女の個人資産は『フォーブス』に拠れば121億ドルだった。

 碧恵園はマレーシアのジョホールバル沖合に人工島を造成して、リゾートマンションを売り出したが、マハティール首相(当時)からは「あそこはオランウータンが棲むところだ」と開発に不快感を示していた。
 中国のバブル破裂は不動産業界を直撃しているが、碧恵園もご多分に漏れずCEOが個人資産売却による運転資金の調達が必要となるほどに追い込まれたようだ。

 (註 楊恵研の「研」は「女編」)
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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和四年(2022)12月12日(月曜日)
        通巻第7549号
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学者から政治の舞台裏へ。三代に亘って皇帝を操る影の演出者
王滬寧(政治局常務委員。序列四位)が中国覇権戦略を立案した理論家
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 舞台に上がると陽炎のように存在感が薄く、猫背の陰謀家のように気味悪い人物。
1980代後半に中国の国際政治学で論客として注目され、復丹大学教授から江沢民政権でイデオロギー担当の高官に抜擢された。
習近平政権後期の2017年からは政治局常務委員となりトップセブン入りを果たした。

 彼は中央書記局で重要文書を起草し、新しいイデオロギー構築のために、骨身を削って皇帝の演説の起草をこなしてきた。一言でいえば「新権威主義」だ。

 江沢民の「三個代表論」と胡錦涛の「科学的発展観」、そして習近平の「中華民族の復興は中国の夢」とするスローガンをまとめた。これらを起草した王滬寧(政治局常務委員。序列四位)が中国の世界覇権戦略を立案した理論家である。学者から政治の舞台裏へ飛躍し、三代に亘って皇帝を操る影の演出者となった。

 泥沼のような暗い権力闘争の真っただ中にあって三代の皇帝を手繰る技量は、第一にほかの誰もが持ちえない理論武装の技量と精密度であり、第二に力の源泉となる派閥に属さず、派閥抗争とは距離を置いてきたこと。第三に誰もが目の色を変える黄金への執着、つまり蓄財に興味がないことだ。

 王滬寧は数冊の著作があるが、なかでも半年にわたる米国滞在で米国政治の特質を観察した『アメリカvsアメリカ』(本邦未訳)は二大政党の対立ばかりか、政党内対立があり、この矛盾を突く外交を理論化した。彼こそはディープステーツ・ドラゴンの中核に陣取っているのだ。
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