【お金のいらない国】
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以前から気になっていた『お金のいらない国』という本。心に響く文章講座でお世話になっている仲谷 史子先生がお読みになり、Facebook投稿でお勧めになっていたので、速攻で入手。うんうん!そうそう!と大きく頷きながら、一気に全4冊を読んだ。著者の長島 龍人さんは、なんと1993年(今から約30年前)にこの小説を書かれたという。そのことに、非常に驚いた。
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以下、1冊目のあとがきから引用転載させていただく。
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“お金がなければ生きていけないと多くの人が思い込んでいるこの社会。しかし本来、動物は、空気と水と少しの食べ物があれば生きていけるはず。紙切れや金属でしかないお金が、人間が生きていくのに必要なわけがありません。しかし人間は、お金がなければ回っていかない社会を作り、そのお金を奪い合うことによってたくさんの苦しみ、計り知れない犠牲を生み、かけがえのない地球環境まで破壊し尽くそうとしています。
今、この問題はすべての人が自分のこととして考え、生き方を見直し、行動を起こさねばならない時にきています。実現不可能、夢物語と、考えることすら拒否していては地球の未来はないでしょう。確かに今すぐお金の存在をなくす事は難しいでしょう。しかし、一人でも多くの人がお金と言うものの本質に気づき、お金にとらわれない生き方をすることによって世の中は必ず変わってくるでしょう。ぜひ、希望を持って、お金のいらない国の想像を膨らませ、楽しんでいただきたいと思います。”
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私が40代前後の頃、会社員として働くことに大きな違和感と罪悪感を感じ、将来に絶望してうつ状態に陥り、「死にたい、消えたい」と思いながら過ごしていた根本原因はここにあったのだ。異常極まりない社会に加担したくないのに、その手段が見つからなかったからである。
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現代社会に生きている以上、お金を使わずに暮らすことは難しいと思う。でも、お金のいらない国を目指すために、個人レベルでできることはたくさんあると思う。その第一歩は、まずこの本を読むことである。次に、現代社会の仕組みを知ることである。そして、自分が今やっている仕事が大好きかどうか、お金が稼げずとも喜んでやる仕事かどうかを確かめ、もしそうでないならそこから離れることである。
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現代の異常な社会を肯定し、維持しているのは、私たち一人ひとりである。そして、その社会にNOを突きつけ、理想の社会実現に向けて歩み出すのも、私たち一人ひとりなのである。「地の時代」から「風の時代」へ、そして「祖の時代」から「皇の時代」へという大きな転換が、きっと追い風になると思う。