人民元基軸への移行がほとんど不可能だ | imaga114のブログ

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宮崎正弘氏の情報です

 

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和2年(2020)10月21日(水曜日)
        通巻第6676号   
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 中国、外貨準備からドル比重を減らしているが
  人民元基軸への移行がほとんど不可能だと認識できている
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 中国の外貨保有高の主力は米国債券である。
 2017年3月のピーク時点で1兆3000億ドルだった。2020年8月末の米国財務省発表によれば1兆0700億ドルに減少していた。

「中国は米国に報復するのなら、この米国債券を売却すれば良い」とする観測が流れていますが、これは無理です。なぜなら担保として、同額以上を中国は國際金融筋から借り入れておりますので。

 国際金融筋は、北京の中央銀行ならびにシンクタンク、銀行関係者の発言や分析、レポート等を分析し、「戦後のドル基軸体制、つまりブレトンウッズ体制に挑戦し、ドル基軸から人民元相乗り体制への野心を抱き、徐々にドル比重を減らしてきた」としてきた。

 国際間の決済は貿易、サービス、投資、送金にドルを必要とするが、これに代替できるのはユーロ、スイスフラン、英国ポンド、そして日本円である。直近のドルの比率は59%、ユーロは欧州域内の決済が多いが25%前後あり、日本円も3%台である。

 しかし人民元は1・5%程度でラオス、カンボジア、ベトナム、タイ、ミャンマーなどでしか人民元は通用しない。
 デジタル人民を国内で実験し流通を試みているものの、人民元が、IMFのバスケット通貨でありながら国際的にはハードカレンシーには認められていない。
 ドル保有の漸減は、中国が人民元決済の領域ならびに通用空間を拡大し、いずれドル交換停止という潜在的なシナリオに備えていることは確実である。