米国、コソボvセルビア首脳会談を仲介 | imaga114のブログ

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宮崎正弘氏の情報です

 

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和2年(2020)9月5日(土曜日)
        通巻第6637号  
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 コソボって、何処にある? バルカン半島の最貧国
  米国、セルビアとの関係正常化に意欲。コソボvセルビア首脳会談を仲介
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 コソボの首都はプリシュティナ。

意外や美しい街で、人口は表向き60万人。

近くに世界遺産の教会が二つ。

いずれもセルビア正教である。
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 コソボを囲む国々はセルビア、モンテネグロ、北マケドニア、アルバニア、要するに海の出口がない内陸国家。

 

2008年までセルビアの自治州だった。住民の92%がアルバニア人なので、以前から独立気運が盛ん、武装組織がセルビア正規軍を襲撃する事件があとを絶たず、治安が悪かった。

 

 

 治安はいまも悪く、外交承認した米国は、大使館を開設したが、厳重な警戒態勢を敷いている。
 

 

 コソボの慌ただしい独立は、セルビアの衰弱が遠因にある。

 

その前に、ユーゴスラビアが冷戦終結とともに崩壊を始め、セルビアが西側から眼の仇にされたためミロセビッチ、カラジッチというセルビア・ナショナリズムに基づく指導者に、国民は熱狂的なナショナリズムを期待した。

 

だが、欧米の外交の前に無力で、次第にNATOの空爆、そのうえ米国が上空5000メートルから空爆を始めて、ベオグラードの官庁街、とくに国防省ビルを破壊した。

 

米軍機はついでにベオグラードのスパイ本部だった中国大使館も空爆した。

 

 

 潜伏して医者を務めていたカラジッチも、数年後には密告により国際法廷に引っ張り出された。

 

セルビアは、嘗ての愛国的指導者を見捨てた。

 

カラジッチは獄中で詩を詠み、そして三島由紀夫を愛読している。

 

 

 さて、欧米の積極支援により、コソボは独立した。といっても面積が岐阜県ほど、人口は180万だが、すでに20万人のセルビア人は退去、そのうえ、若者らは外国へ出稼ぎにでて不在。経済は鈍化する。自衛軍どころではなく、治安はNATO軍が進駐し、通貨はユーロだ。

 

これでは独立国とはいえないのではないか。

 

 

 外交的承認は米英独、日本など96ヶ国(一時は110ヶ国が承認)。ロシア、中国、スペイン、ギリシアなどは未承認である。だからプリシュティナの街を歩いても、中国人観光客がいない。

 

 

 米国はセルビアとコソボの首脳をホワイトハウスに招き、経済関係の活性化を話し合う場を提供した。

 

トランプは「これは歴史的な事件だ」と自画自賛したが、セルビアはコソボの国家承認は絶対にないとしている。

 

 コロナ災禍と大統領選挙を挟んだ時期を選んで、こうした外交の乗り出したのは、米国にはなにがしかの理由があるのだろう。

 

ペンス副大統領、クシュナー補佐官らが、ホワイトハウスで交渉を見守った。

 

 

 

 コソボの北、旧ユーゴスラビアの最北端はスロベニアである。

 

イタリアは目の前、物価が安いので、イタリアからおびただしい買い物客がある。

 

旧連邦のなかでは、もっとも豊かな国である。

 

トランプ大統領夫人のメラニアは、このスロベニア出身である。