宮崎正弘氏の情報ですが、これはアジアの国々の今と紹介の内容です。
毎日のニュースとは少し違いますが、興味深い内容を含むので
振り返って掲載します。
第一部 「暴走老人 西へ」(2)
第二章 上海から杭州へ、温州へ
▲上海ー南京、上海ー杭州線は同時開通
上海虹橋空港というのは昔の上海飛行場のことである。
にじばし、
あたかも羽田─台北松山を結ぶラインのように、この便は恒に満席
浦東に新空港ができて市内とリニアで繋がると虹橋は国内線専用と
鉄道駅も
2010年の上海万博がおわると、目に見えない変化があった。上
(もう日本なんか相手にしていないゾ)と露骨な態度を示す上海人
この虹橋始発駅から上海ー南京、上海ー杭州と二つの新幹線ルート
虹橋空港の国際線ターミナルは、昔の上海飛行場の古い建物を利用
しかし日本人駐在
新古北区なんて、日本相手の食材店、カラオケ、古本屋。惣菜も、
このとき筆者は成田から上海浦東空港へ飛び、路線バスで虹橋(旧
あとで直近の地図を買って分か
空港間の連絡バスは二時間はかかると踏んでいたが、道が空いてい
バスには日本人が十人ほど乗っていて、上海か
かれらも郷に入
新幹線の虹橋駅は壮大な規模を誇るのだが、ロボット世界のように
この虹橋駅ですぐに杭州行きの次の列車がとれた。
杭州行きは短距離と雖も、十六両編成。途中カーブで五度ほど傾い
座るとすぐに珈琲を売りに来た。インスタントで8元。
クリープつ
ちょっと怖いほどに早すぎる。
途中の新駅の風景はといえばたんぼ道、牛馬がいる。前時代的な農
沿線の風景
その後、日本からの旅客は急増し、全日空は杭州、武漢へ直行便を
▲ハード・ランディングの予言を思い出した
車窓から景色を見ながら、連想したことがある。新幹線が、意外と
ノリエル・ルービニNY市立大学教授といえば、
ルービニは七年前にも中国に警告した。
「中国はGDPの50%を開発に投下している。ソ連の末期と同じ
しかし資源企業ならびに強気のエコノミストらは反論した。
「年率
インフラ整備のため建材、
だがルービニ教授は次のように反論したのだった。
「中国が鳴り物入りの宣伝をした新幹線に乗った。上海から杭州へ
平行して走るハイウェイは、じつに三分の二ががらが
これは何を意味するか。60年代のソ連、97年通貨危
まさにその通りの惨状がコロナ以後の中国経済の実情だ。
日本では被災した東北新幹線の沿線風景は防音壁が高いためMAX
中国ではちゃんと沿線の風景を楽しめる。しかし景観に変化がとぼ
著者はたまたまチャプリンの音声のない映画をみたが、著作権が切
杭州新幹線は僅か四十三分、あっけなく到着した。北京ー天津間は
となりの人と喋る時間もない。
もっとも一等車内なのに乗ってから
前席の若い女はずぅっと寝ている。
通路に足を出しても誰も注意し
即席麺をずるずると音を出して食べる人も多い。
これも中国
日本にきた中国人はバスや地下鉄のなかで携帯電話を
いまではスマホの文字通信だか
杭州から福建省までずっと南下する新幹線に乗るのは翌日に廻し、
こ
ダフ屋、旅館の番頭風、あやしげな按摩斡旋(たぶん売春)、得体
杭州は浙江省の省都だ。ましてや古都であり歴代王朝の首都だった
市内どこでも風光明媚、駅前の雑踏や繁華街の乱雑さからは想像
地下鉄の工事をしていた。オペラ劇場がある。古典
翌朝、早起きして市内を散歩。新聞を買ってぱらぱらめくりながら
駅前の裏道は貧困、パジャマで歩
▲一路「中国のユダヤ人」=温州へ
杭州から寧波への特急もあるが、途中、上海と杭州湾をまたぐ35
ーーおっと。この路線はトンネルばかりではないか。
途中、二十数個で数えるのを止めた。山岳、急な山稜、トンネルと
しかし海が見えたとカメラを向けると、またトンネルだ。
この景色、既視感がある。大磯あたりから熱海、三島へ向かう東海
鬱蒼とした森、竹藪、棚田。
農家はすこぶる豪勢、茶畑、トラクター、過疎。
そして束の間に田
トンネル内でも247キロ、耳が痛い。
台州駅通過は236キロ、
何本か河を渡ったが、海に近いため川
途中駅から隣席
真っ黒に日焼けして、
浙江省に出稼ぎにきて
温州に関しては特筆しておきたいことがたくさんある。
温州の新幹線駅(温州南駅)は新築、ぴかぴかだが、はやくもタイ
整備が追いつけな
駅舎だけは工期が間に合ったが構内の諸施設はまだ工事中だった(
コンコースから一キロ近くも歩いて、やっとこさ、バス駅。市内へ
道は全部工事中で渋滞。
えんえんと車列が埃を
温州市には製薬、運送業、眼鏡、鋳型、繊維工場が多い。
とくに目
バスの道沿いだけで五軒。福井鯖江
そのため鯖江の眼鏡産業は壊滅寸前になった。
そういう阿漕なビジ
この乱雑で埃だらけで都市計画の美が一つもないような町が、なぜ
温州人の町をあてどなく散策
温州駅前の雑踏のなか、空腹でレストランを探すが、ろくなものが
温州の銀座通りの筈だが、通行人が着ている服装が野暮ったい。若
ーーそうか、温州人って実務一点張りで外見は構わないんだ。
数年前に来たときも、あまりに乱雑な都市作りに驚愕した記憶があ
町中に石炭火力発電があり、マスクをしても顔
高級ブティックの隣りが怪しげな
いったい都市設計という発想は、
結局、温州には泊まらず、そのまま福州へ向かうことに決めた。
温州南駅へ埃だらけの道を戻り、次の目的は福建省福州、切符はす
速度248キロ、途中駅は開発途次の開発特区が多く
この区間だけ車内販売がなく、お茶も飲めず、福州市が近ずくにつ
六階建ての農家が目に付くので駅
連江だった。なるほど、