インドはバッタもあり、経済もありチャイナもあり・・・
大変です
正しい人に良いことが起こり続けますように
宮崎正弘氏の情報です
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◇◆☆◇◆◇☆◆◇◆☆
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和2年(2020)6月1日(月曜日)
通巻第6517号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
インドの「輝かしい未来の発展」シナリオに暗雲
コロナ災禍がもたらした伏流水がGDPを押し下げた
******************************
インド経済が予想に反して、年初来、苦境に陥った。
これまで5%から6%台の成長をなしてきたインドのGDP成長率
世界が、とくに欧米が期待したインド。いずれ中国を抜き去るとの
人口では間違いなく中国を抜く(2025年に15億人)。しかし
モディ首相がカリフォルニア州を訪問したおり、在加州インド人が
ピチャイ(グーグルCEO)らインド系アメリカ人がシリコンバレ
国際政治学では「ツゥキディデスの罠」論が持て囃され、インドが
嘗てスパルタ vs アテネのペロポネソス戦争の動機は、大国は新興国の台頭を許さな
インドは基本的に農業国家なのである。
コメ生産は世界一、小麦、綿花でも輸出国であり、コメの種類に至
▲インフラの未整備と水不足、そして停電
発展を阻む最大の障害はインフラ未整備。この脆弱性がアキレス腱
くわえて大気汚染、環境破壊、不衛生、教育の遅れ(貧困層が3億
13億人の購買力(しかし@GDPは2015ドル)に期待した。
年初来、絶好調に急ブレーキがかかったのは、国民の資力、預金の
賃金が横ばいとなれば、消費に息切れがおき、ノンバンクのローン
中国の鉄鋼ダンピングのため、製鉄でも高炉が止まり自動車生産も
インドの西海岸に位置するムンバイとグジャラート州などは対中東
社会構造をみると、インドは29州からなる連邦国家である。
各州が独自の法律と税制を持ち、強い自治を誇る。なにしろ各州が
酒が典型例になる。インドで酒が飲めるのは限られた州で、国際都
くわえてヒンズー vs イスラムの根深い対立、文化状況はといえ、お酒が飲めるところは
ムンバイを中心にボリウッド(ハリウッドの対抗)と呼ばれる映画
そのうえインド社会には構造的な矛盾が多多ある。
第一はヒンズー教の戒律があって、カースト制が最大障害である。
第二には富と貧困と最貧の問題で、金持ちは御殿のようなきらびや
第三にインドは民主主義国家だが、政党間の政争にも増して、宗教
▲それでも日本企業は健闘している
このインドへ進出した日本企業は1072社。筆頭はスズキである
重要な事実はインドが親日国家であること、そのうえ日本は旧宗主
日本人は大東亜戦争におけるインド独立支援をあげるほかに、お釈
日本人はデリー、ムンバイ、チェンナイで1万名が駐在しており、
さてコロナ災禍でインドは都市封鎖を行い、それも全土にわたって
モディ政権は財政出動を三回行った。
しかし貧困国ゆえに限界がある。3月26日に邦貨換算で2・5兆
インドの夢は経済大国となって、地域のヘゲモニーを掌握すること
いずれ「MADE IN INDIA」という戦略が樹立されるだろう。けれども労働力は豊
こうみてくるとインド経済のネックが顕在化する。
あまつさえ企業活動となると、タタ、リライアンズ財閥の寡占状態
▲G7にはインドも招待席へ
しかしインドは地政学的に重要なのである。
トランプは中国封じ込めのためにも、インド支援を明確化し、日米
5月30日、フロリダ州の宇宙衛星打ち上げ成功を祝した帰路に大
トランプ大統領はインドの地政学的重要性を認識しているのである
南シナ海を我がもの顔で軍事支配する中国は、その魔手をマラッカ
ついでインドの南西に位置するモルディブの無人島開発を持ちかけ
見方によってインドを見事に取り囲み、いずれ海上封鎖が可能な軍
このようにしてインドの周囲は中国の「海のシルクロート」となっ
そこでトランプは二月に訪印したが、武器購入16億ドル以外に目
国内政治を見渡すと、ガンジー vs チャンドラ・ボーズという政治思想の対立が存続している。
ネルー率いた国民会議派は依然根強い。モディ(人民党)はヒンズ
あおうえい