P1010067_2  人形の吉徳さんの資料室に有名な国芳の錦絵「江戸じまん 今戸のやきもの」が残されています。今戸焼を描いた錦絵はいろいろと存在しますが、風俗と人形をズームアップしたものとしては、屈指の作品だと思います。しかも描かれている人形の種類は実際に遺跡から出土したり、代々の作者によって作られ、伝世しているものがほとんどです。まさに今塗られているのは毬猫。この人形は伏見人形がルーツと思われ、各地の人形産地でコピーされているものが多いのですが、その今戸版は、近世遺跡からの出土例は多いものの、色のしっかり残っている人形をまだ見たことがありません。しかし、この国芳の表現から大方の配色がわかります。毬の部分に黄色地に朱で描かれた山型の二重線ですが、描く途中と考えたらよいか、それともこれだけなのか気になります。大抵、目玉は別として、ぶちなどの墨入れは一番最後にするのが無難ではないかと思うのですが、既にぶちを入れてから、他の色を置いているのは、絵としての絵空事なのでしょうか?猫の他にも鳩?や頭巾被り(庄屋)、三方狐、鉄砲狐らしきものも見え、実際に当時

作られていたと考えてよいと思います。