イーロン・マスクのお気に入りのSF小説と知って、

SFが苦手な私が重い腰を上げて読んだ

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』。

 

上下巻の長編SFに少し身構えていたのですが、

読み始めてみたら、

まさかの展開の連続で

どんどん引き込まれてしまいました。

 

 

難しい科学の話が苦手な私でも

最後まで一気に読めたのは、

 

宇宙を舞台にした壮大な物語の中に

胸が熱くなる「友情」があったから。

 

 


  イーロン・マスクお気に入りの本SFが苦手でも面白く読めた理由は

 

そもそも私、SF小説はちょっと苦手。

 

宇宙、物理学、最先端の科学技術……と聞くと

「難しそう」と読む前から身構えてしまいます。

 

それでも今回読んでみようと思ったのは

 

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が

イーロン・マスクの

お気に入りのSF作品だと知ったから。

 

 

 

どんどん世界が変化していく今

 

宇宙開発や科学技術の

最先端にいる人たちには、

SF作品好きな人が多いです。

 

彼らはそこから何を感じたり、

考えたりしているんだろう?

 

「何かヒントがもらえるかも」と

苦手意識のあるSFに重い腰を上げました。

 

とはいえ上下巻の2冊。

 

 

最初は「最後まで読めるかな…」と

少し怯みました。

 

ところが、実際に読み始めると

その心配はいい意味で裏切られました。

 

1冊目の半ばあたりから

かなり様子が変わって、

気づけば夢中でページをめくっていました。

 

主人公グレースのちょっとヘタレな人物設定と
途中から物語の中心に入ってくる

異星人ロッキーとの関係が、良いんですね。

 

  記憶喪失から始まる脱出ミステリー宇宙船で目覚めた主人公の謎解き

 

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

でまず面白いのが、

 

主人公グレースが記憶を失った状態で

目を覚ますところ。

 

ハッと目を覚ますと、体にはたくさんの管。

 

そこは宇宙船の冬眠システムの中でした。

 

「ここはどこ?」

「自分は誰?」

「なぜ周りに死体が?」という状況です。

 

最初は名前すら、

本人にもまったくわからない。

 

読者の私も主人公と同じ情報しか持っていないので

 

グレースが少しずつ状況を調べ、

記憶を取り戻していく過程を

一緒に追うことになります。

 

というように

最初から難しい宇宙用語を

延々と説明されるわけではないので、

SFが苦手な私でもすんなり物語に入っていけました。

 

SFというより、

上質なミステリーや

脱出ゲームを解いているような面白さ。

 

「次は何がわかるんだろう?」

 

という気持ちでページをめくってしまう。

 

序盤から一気に引き込まれました。

 

  主人公グレースの人間臭さが面白い
愛すべきヘタレで共感できる

 

そして、

私がこの小説を読みやすいと感じた

もう一つの理由が、

主人公グレースのキャラクター。

 

地球を救うために

宇宙へ飛び立った主人公と聞くと、

ものすごく勇敢で完璧なヒーローを

想像してしまいますよね。

 

でも、

グレースはそんなタイプではありません。

 

面倒くさがるし、ウザったがるし、

うまくいかなければイライラするし、

不味い宇宙食にはテンションを落とします。

 

愚痴も言うし、臆病で慎重で、

愛すべきヘタレなんです。

 

もちろん頭はものすごく切れるのですが、

「何でもできる超人」という感じではありません。

 

怖がるし、迷うし、

できれば面倒なことは避けたい。

 

このちょっとした

愛すべきヘタレ感に

共感できて安心できるんですよね。

 

だからこそ、

後半で過酷な孤独にさらされたときの苦しさや、

大切な相棒を救うために見せる勇気が

強烈に心に残りました。

 

普段は弱音を吐いている人が、

本当に大切な場面で一歩踏み出す。

 

そのギャップに胸を打たれて、

リアルにも感じられます。

 

  異星人ロッキーとの友情が最高

 

そして、この作品を語るうえで外せないのが

異星人ロッキー。

 

 

 

 

彼との出会いの後の

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は

 

私の中では完全に

宇宙を舞台にした友情物語になりました。

 

SF作品というと、

どうしても「人類VS宇宙人」のような

構図を想像しがちですが、

 

この作品に人類を襲う冷酷な宇宙人は登場しません。

 

善と悪をはっきり分けるような

二項対立がない。

 

グレースが出会う異星人ロッキーは

見た目こそ人間とまったく違いますが、

中身はとても知的で、お茶目で、謙虚で誠実。

 

そして何より、仲間思いで、

不器用なほど優しくて信頼もできる。

 

読んでいるうちに、

どんどん好きになってしまうキャラクターでした。

 

ただ、最初から

2人が仲良くできるわけではありません。

 

当然ながら、言葉も通じなければ、文化も違う。

 

そこでふたりは、

身振り手振りや音などを使いながら、

お互いとの意思疎通を試みていきます。

 

「この音は何を意味しているんだろう?」

「もしかして、こういうこと?」

 

そんな小さなやりとりを一つずつ積み重ねながら、

相手の言葉や考え方、

好き嫌いや大事にしているものを理解していく。

 

最初は「何を言っているのか、さっぱりわからない」

というところから始まるのに

 

気づけば単なる「異星人との共同作業」ではなく、

種族を超えた唯一無二のバディになっていくんです。

 

この過程が、本当にいい。

 

宇宙の壮大な話だけど、描かれているのは

 

「相手のことを知りたい」

「自分のことを伝えたい」

「なんとか一緒にやっていきたい」

「お互いを大事にしたい」

 

という、ものすごく根源的なことなんですね。

 

そして、ロッキーと出会ってからの

グレースの姿にも惹かれました。

 

言葉が通じない相手との

コミュニケーションを取るために、

複雑な言語解析を根気よく進めていく。

 

最初から答えがわかっているわけではありません。

 

わからないことでも、

一つずつ確認して、仮説を立てて、

試して、ダメだったらまた修正する。

 

その繰り返し。

「さっぱりわからないから無理」

「やったことがないから止めておく」

と諦めるのではなく、

目の前の小さな手がかりを一つずつ拾っていく。

 

根気よく一つずつ積み重ねれば

時間がかかっても、いつか解決できる。

 

この姿勢は、宇宙や科学とは関係なく、

仕事でも日常生活でも大切なことだなと思いました。

 

そして、

この「言葉が通じるかどうか」

について思い出したのが、

私自身アメリカで暮らしていた頃のこと。

 

最初の方はとくに

私の英語は決して上手ではなかったのですが、


私が何を言いたいのかを

びっくりするぐらい

正確に理解してくれる人がいました。

 

一方で、同じような英語で話しているのに

「何を言っているのかさっぱりわからない」

という感じでまったく伝わらない人も。

 

その経験から私は以前から


「言葉が通じる」「会話が成立する」というのは

単純に話す側の語学力だけの問題ではない


んだなと感じていました。

 

受け取る側が、

「この人は何を言いたんだろう_」

と歩み寄って、理解しようとしているかどうか。

 

多少不完全でも、

文脈から意図を汲み取ろうとできるかどうか。

 

つまり、コミュニケーションは

話す側だけで成立するものではなく


受け取る側の姿勢や、

双方がお互いを理解しようとする協力に

大きく左右される。

 

そんなことを

ロッキーとグレースの関係から改めて感じました。

 

人間同士でさえ、同じ言葉を話していても

気持ちが伝わらないことがあります。

 

それなのに、

まったく異なる星に生きる2人が、

言葉も文化も違うところから、

少しずつ相手を理解していく。

 

そう考えると、グレースとロッキーの友情が

ただの「宇宙SFのバディもの」ではなく

 

戦争や分断を繰り返す私たちに

ものすごく大事なことを

伝えてくれているように感じるんですよね。

 

だから私は、この作品で一番好きなのは

もしかすると宇宙の壮大な設定よりも

 

「わからない相手を、それでもわかろうとする姿勢」

から始まる2人の強さとしなやかさ

なのかもしれません。

 

  SF知識がなくても読める?難しい科学の話は流し読みでOK

 

ここは、

私のようにSFが苦手な人にぜひ伝えたいところ。

 

「理系の知識がないと無理では?」と心配な方、

大丈夫です。

 

作中には科学や物理の話がたくさん出てきます。

 

正直に言います。

私は難しいところ、

かなり流し読みしました(笑)

 

ほぼ飛ばしたと言っても

過言ではありません(苦笑)。

 

でも、それでも全然楽しめました。

 

 

なぜなら、

科学的なギミックそのものが物語の目的ではなく

 

「どうすれば生き残れるのか」

「どうすれば地球を救えるのか」

「大切な相棒を救いたい」

「生きて地球に帰りたい」


という誰でも共感できる

シンプルな感情につながっているから。

 

だから、細かい理論は完全に理解できなくても、

「グレース、そこに気づいたのすごい!」

「どうやってこのピンチを切り抜ける?」

と、物語そのものを楽しめます。

 

むしろ私は、

難しい部分を全部理解しようとしなかったことで

最後まで読み切るハードルが下がった気もします。

 

  ラストのグレースの選択を読んで自分ならどうするか考えさせられた

※ここから先は、ぜひ読んでみてほしいので

 できるだけネタバレを避けて書きます。

 

物語の終盤でグレースが迫られる選択には、

とても考えさせられました。

 

人間には、

自分の命を守ろうとする本能があります。

 

火傷しそうになったら

熱いヤカンから瞬時に手を離すように

 

危険が迫れば、とっさに自分を守る。

 

それは当たり前のこと。

 

でも、ときにはその「自分」の境界線が 


自分一人ではなく、

大切な誰かにまで広がっていく。

 

親が子どもを守ろうとして、

とっさに危険へ飛び込むように。

 

最後のグレースの選択は、

人間の根幹にあるものを

見せてくれているように感じました。

 

そして、

この作品を読んでいてもう一つ強く感じたのが、

食べ物や住む場所など生きるために

必要なものがそろっていても

 

たった一人の孤独では

生きていけないのかもしれないということ。

 

極限状態で本当に怖いのは、

死の危険だけではない。

 

誰かとつながっていること。

誰かに理解してもらえること。

そして、自分も誰かを理解しようとすること。

 

そんな

「人間にとって何が大切なのか」という部分まで、

この宇宙SF小説は静かに問いかけてきます。

 

自分だったらどんな結末を選んだだろう、

と今も考えています。

 

  小説と映画DVDどっちが先?おすすめの楽しみ方

 

2026年3月には実写映画版が公開され、

世界中で大きな話題と高い評価を集めました。

 

私のおすすめは、先に小説から読むことです。

 

この物語の面白さは、

記憶喪失の主人公と一緒に

少しずつ真相に近づく感覚にもあります。

 

何も知らない状態で味わえるのは一度きりなので、

ぜひ小説で体験してみてください。

 

読んだあとに映画を観ると、

あの場面がどう映像になったのかを楽しめます。

(特にロッキーの姿と声!)

 

▼小説で、じっくり世界に浸りたい方
【小説・上・下巻はこちら】

 

 

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  プロジェクトヘイルメアリー感想まとめSF嫌いこそ読んでほしい名作

 

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を

読み終わって一番強く残った感想は

 

「思っていたSFと全然違った!」

ということ。

 

宇宙が舞台の「最高にポジティブで、

泥臭くて、泣ける最強の友情物語」でした。

 

科学の知識が豊富な人なら

細かな設定まで楽しめると思いますし

 

私のようにSFがちょっと苦手な方にも

 

イーロン・マスクのような

最先端の世界をつくる人たちの思考を

覗いてみたい方にも

 

自信をもっておすすめできます。

 

 

難しい知識はなくても大丈夫。

 

「主人公はどうやってこのピンチを乗り越えるの?」

「グレースとロッキーはどうなるの?」

 

という気持ちで読んでいけば、

気づけば一気に読めると思います。


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最後まで読んでいただき

大変ありがとうございました。

 

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※全て2026年10月7日執筆時の内容です