昨日行った某イベントで、友人の勧めで「魂リーディング」なるものを体験しました。
陰陽師の生まれ変わりという男性が、魂や守護霊と通じてその人の問題点に解決策を与えてくれるという!!
ここ1、2年、老母のことがストレスになっていた私は、何か解決策が分かるならと勇んでブースに行きました。
普段は相談料2万円なのに、ここのイベントでは15分1000円という安さも魅力。フツーはそこであやしいと思うでしょうが、私もイベントでは10分500円で手相を見たりしていますので、安い=信頼できないという発想はないのです。
見た目も優しそうで感じのいいオジサンです。人を騙すようには見えない。
「別居している母が、認知症ではないのですが、荒ぶっていてストレスなのです。早いうちに解決できないでしょうか」
相談内容を手短に話しますと、
「お母さんの名前と歳を書いて」
白い紙を渡され、そこに母の名と生年月日と年齢を書きました。
オジサン(陰陽師の生まれ変わり)は、両手の人差し指を合わせ、紙を指し、小さく何か唱えます。そして、小声で独り言のように、
「ああ、きついなあ。この人」
と言うので、私の期待は高まりました。
そう!キツイの!私!
しかし、
「お母さんは、自分のことを認めてほしいという気持ちが強いですね」
「はあ」
そういわれたらそうかもしれない。
認めてというか、大事にしろ!って感じで。
しかし、
「お母さんのお父さんが、厳格な人で厳しかったから」
「いや、母の父は早くに亡くなっています」
「いえ、亡くなる前のまだ小さい時。厳しくされた記憶が」
「亡くなったのは母が赤ちゃんの時、と聞いてますが」
「ああ、そう。待って、上手く通じていないな」
また人差し指を合わせて、紙にフッフッと息をかける。
「ああ、ゴメン。何か、とりついている」
独り言のようにいうオジサン。
「お母さん、突然、攻撃的になりますよね」
「え?」
「急にヒステリックになったり」
「いえ、特には。しょっちゅう死ぬ死ぬ言って私を呼びつけるんですが」
「そう」
「で、帰ってやってもそのことをすっかり忘れてまた『すぐ帰って来い。話したいことがあるから』と、数日おきに電話が来るのに参っています」
「なるほど」
今、これを書きながら思いついたけど、
私は、母の死ぬ死ぬ詐欺を「また母があらぶって」という言葉で友人たちによく話すので、ここでも最初につい「荒ぶる」という言葉を使ったので、オジサンは「攻撃的」「ヒステリック」な老人を想像したのでしょう。
うちの母は、どちらかというと寂しい老人で、みんなから大事に扱われるのが大好きなのですが、何をしてやってもすぐに忘れて「もっともっと」とねだってくる人です。
そのようにかいつまんで話すと、オジサン、
「一緒に旅行したり、美味しいものを食べさせたりとかしたらどうですか」
「やってます。でも、翌月には忘れて、また来いまた来いと言ってきます」
「その時の写真とか見せたら?」
「見せたら、『ああそんなことあったのね、忘れたわ』と言う感じです」
「そう」
手詰まり。
つか、これ占いじゃないよね?
オジサンが言葉を探しているようなので、ついつい時間も気になって、
「母のことでなくて、私(の魂)を見ていただいてもいいのですが、母から解放される日は近いですか」
「うーん」
「今、すごい、電話が掛かってくるのもストレスなんですが」
「うーん」
「例えば、近いうちにホームに入ってくれるとか」
「たぶん、あなたのほうが、もう手に負えないって言って、ホームに入れるでしょう」
って、それ、魂リーディングで言ってる?笑
「それで入ってくれますか。本人が嫌と言ったら、入れられないですよね」
「行くと友だちがいっぱいできるよ、とか言って、ホームは良いところ楽しいところだと思わせたら?」
「言ってます。で、デイケアサービス行かせたら、他の老人たちと関係悪くして、今じゃ絶対行かない、と。親切にしてくれたスタッフさんたちの悪口も言ってて、まあ、ひどいんですよ」
「ああ、そう」
手詰まり。
「母、どこか良いホームに入れますかね」
そんな未来が見えますとか言ってくれないかなーとほんのり期待しつつつぶやくと、
「良いと思っても、すぐには入れません。半年から一年かかると思います。早めに申し込んだほうが良いですよ」
って、それ、占いでも魂リーディングでもないよねー?笑
私の苦笑いで、気持ちが伝わったのか、
またオジサンは、指を合わせてフッフツと息を吐き、突然、
「お母さんの中に、もうひとり、お婆さんがいますね」
と、突然いう。
「はあ」
「優しくしてやったことも忘れちゃうんでしょ。記憶が途切れたり、全く覚えていなかったり」
「ええ」
「それは、お婆さんとお母さんが入れ替わって、お婆さんがやってもらったことは、お母さんは覚えていないんですよ」
「そうですか」
「お母さんのココ(自分のぼんの窪を指さす)に塩を塗りこんであげなさい。それで浄化されるから」
「はあ」
「できたら日本酒も、米でできた日本酒」
「はい」
「塩と日本酒が、もう、最高の浄化だから」
「はい」
私も「気」を上げるのに塩と酒は有効だと日々思っているので、これについては否定はしません。
私が素直に頷いたので(もう一人のお婆さんの話は信じてないけどね)、オジサンは気をよくしたのか、その話を繰り返しました。
「日本酒は米100パーセントのね」
「純米ってことですね。本醸造ではなく」
「うん、本醸造はね、もっと高級な酒だからね」
ちがうー!!!
本醸造酒とは、純米酒に醸造アルコールを加えた日本酒。
でも、そのことを説明する前に、15分経ってしまいました。
私の方がたくさんしゃべってた。
そんなこんなで、魂リーディングはまったくされた感じしないけど、
まあ、人生相談ってことで、みんなお金払ってんだね。
私もこの経験、本業に活かしたいです。
念のためにいうと、オジサンは本当にいい感じの人でした。
最後、お役に立てなくてごめんなさいとか言わせてしまったよ。
こちらこそ、ごめんなさい。