昨日、1/6の昼に観てきました。
お正月恒例、国立劇場の菊五郎劇団。
毎回派手で面白いのですが、今回もなかなかです。
以下、多少ネタバレあり。多少ね。
冒頭から海の底。妖しげな大鐘(道成寺のアレ)が沈んでます。
そこにスルスルと降りてくる美女(菊之助)。
鐘に綱をかけたかと思えば、煙に巻かれて一転、山中に!
そこで、土蜘蛛の妖怪精から、美女の正体と背景が明かされます。
つかみはオッケー。
その後は歌舞伎らしい破天荒さでグイグイ進みます。
場面転換多く(あわせて休憩も多く)、目まぐるしいけど、その分飽きさせない。
菊之助は、美女、姫、若衆、小唄の師匠、町娘、妖怪と、いろいろな衣装で楽しませてくれます。
そして、尾上右近くんも、傾城、お姫様、キャッツと、楽しませてくれます。
そう、個人的に一番盛り上がったのは、猫がわらわら出てきたところ。
猫、可愛いよ。機敏で可愛いよ。おっきいのもいるよ。
猫好きさんは、ぜひ見てね!(と言っていいのか?)
ある場面で、「萬次郎さん、すごい」って隣のご婦人が言いましたが、
あれ、萬次郎さんじゃないから。笑 ←見た人だけにわかる話。
三幕、時蔵さんと息子梅枝と松緑の三角関係の場面、
摂州合邦辻を知ってたら「ああアレだ」と思うんですが、知らない人のほうが多かったぽい昨日は客席から何度も笑いがおきてました。(うん、まあ、おかしいんだけど)
笑っていた人、多分、その後の展開でポカンでしたよね。
いろいろポカンはあっても、それこそが歌舞伎。
とにかく派手でキレイで何かとおめでたい感じなので、お正月歌舞伎としては思いきりオススメしたいです。
1月27日までやっています。
そうそう、あの冒頭の妖しげな鐘、あれっきりでした。
【以下 写真と上記文章は国立劇場のホームページからお借りしました】
『白縫譚』は、江戸時代初期に起きた筑前国黒田家のお家騒動を、主要な題材にしています。実在の黒田家をモデルにした菊地家が、菊地家に滅ぼされた豊後国大友家の残党によってお家存亡の危機に陥ります。その事態に、菊地家の執権・鳥山豊後之助(とりやまぶんごのすけ)が対峙していくという物語です。
国立劇場では昭和52年(1977)に河竹默阿弥が劇化した『志らぬひ譚』を通し狂言として76年ぶりに復活上演しました。今回は、尾上菊五郎監修のもと、原作の面白い趣向や設定を換骨奪胎して活かし、先行の劇化作品や講談などを参照しながら、新たに台本を作成します。
蜘蛛の妖術を利用して菊地家への復讐を図る大友家の遺児・若菜姫(わかなひめ)。その巧みな謀略からお家を守ろうと苦心する鳥山豊後之助、豊後之助の倅・鳥山秋作(あきさく)、秋作の乳母秋篠(あきしの)を始め菊地家の忠臣たち。その活躍を物語の主軸に据え、緊迫したドラマが展開します。
菊地家の重宝「花形の鏡」をめぐる豊後之助・秋作父子と若菜姫との対決、自らを犠牲にして鳥山家に尽くす秋篠の忠義、豊後之助の繰り出す意外な智略、変幻自在の若菜姫の変身や“筋交い”の宙乗り、足利将軍家を守る秋作の大立廻りや屋体崩しで見せる化猫退治など、見どころ満載。菊五郎を中心に、時蔵、松緑、菊之助ほか正月恒例の“復活通し狂言”でお馴染みの顔触れが揃い、歌舞伎ならではの娯楽性に富んだ華やかな舞台をご覧いただきます。開場50周年を記念する国立劇場の初芝居にご期待ください。