
クドカンの歌舞伎は「大江戸りびんぐでっど」も「天日坊」も好みだったので、これにも過大な期待をしてまったのが敗因か。
海老蔵と獅童の楽屋入りの場面から、、楽屋落ちの笑い取り、六本木歌舞伎が生まれたワケ、拵えがすんで「地球投五郎宇宙荒事」のはじまりはじまり。
冒頭は、まあ、こんなものかな、客席も温めないとな、と見ていたけれど、肝心の本筋が「スターウォーズ」と「暫」をミックスしただけのドタバタ。
こだわったという『歌舞伎様式』は随所に見られるものの、とってつけ感が半端ない。
最後に地球を投げるのも、どうしてそうなるのかよくわからない。
「歌舞伎だから荒唐無稽で良い」って話じゃないと思うのよ。
團九郎と米太夫の取りかえ児の話は良かったし、宇宙に投げ飛ばされた團九郎がたどり着いた星が生まれ故郷だったって設定で、壮大なスペースオペラにもできたのに、ただ有名映画のパクり(パロディにもましてや本歌取りにもなっていない)と歌舞伎様式見本市と楽屋落ちで終わってしまったのが、とても残念。
(あとアニメ・漫画ネタがチラホラ)
クドカンさん『しがらみから解き放たれて自由な発想で思いっきりやりたい』とか言ってたけど、時間切れだったのかな。台本できたの1月だって言ってるし。
彼の実力はこんなもんじゃないと思ってます。
「海老蔵と獅童の姿が観られればいい」って人には良いかもだけど、
それにしてもチケット代が高すぎ。

『歌舞伎ファンだけでなく多くの人に親しんでもらえるような歌舞伎を目指』しながら、結果的には歌舞伎ファン(というか海老蔵・獅童ファン)が大喜びの作品になっていました。
(あと、小劇場好きも楽しめるかもね。細かい笑いはとってたからね。でも小劇場の値段じゃないんだよね。)
エビシドファンにはたまらないと思う。
実際、前方の席のきゃあきゃあぶりはハンパなかった。
楽屋の場面では、目の前で顔を作ってくれて、衣装をつけていく。
アドリブに見せかけた楽屋落ちの話も楽しい。私も何度か「獅童かわいいな」と思った。
でも、海老蔵が一日にブログを100回更新するとか、獅童が2人目の奥さんと温泉行ったとか、知らない人にはポカンだよ(笑) ま、知らない人は来ていないのか。
加藤清史郎くんは、声変わりなのかな。聞き取りづらかった。
本人も声出しにくいのか、間の悪いところで息継ぎしたり噛んだりで、見ていて辛かった。彼の実力も、こんなものじゃないと思いたい。
せっかく諭吉をはたいたのでいいこと探しをすると、尾上右近くんがとても綺麗になっていたよ


色気もあるし声も良いから、これから楽しみです

そんなこんなでちょっと辛口になったけれど、見て後悔するって程ではないから、これから観にいく人はハードル下げて楽しんできてください。
チケット取れなかった人には「残念がるほどでもない」ってお伝えしたいです。
余談だけど、チケット完売していると言いつつ招待券も多いんじゃないかなと思った。
ギョーカイ系のカワイイ子もいっぱい来てました。ふふ。
六本木歌舞伎
地球投五郎宇宙荒事
ちきゅうなげごろううちゅうのあらごと
平成27年2月3日(火)~18日(水)
地球投五郎宇宙荒事(ちきゅうなげごろううちゅうのあらごと)
地球投五郎 市川 海老蔵
駄足米太夫 中村 獅 童
絵師の竜二 坂東 亀三郎
高窓太夫 尾上 右 近
火消しの彦兵衛 大谷 廣 松
左坊 市川 福太郎
市川鯛蔵/与駄 加藤 清史郎
右坊 市村 竹 松
大工の源 市川 九團次
法漢和尚 片岡 市 蔵
徳川綱吉 市村 萬次郎