アロッタファジャイナ2014年春番外公演
「かもめ~21世紀になり全面化しつつある中二病は何によって癒されるのか、あるいはついに癒しえないのか、に関する一考察~」
会場 渋谷ギャラリーLE DECO
出演 内田明、塩顕治、縄田智子、宇野愛海、宮本行、秋山昌赫、香元雅妃、中田顕史郎、石原尚大、辻しのぶ
脚本 アントン・チェーホフ、松枝佳紀
演出 松枝佳紀

http://alotf.com/


本日見てきました。
ブログのタイトルは省略して「かもめ」になっていますが、正確には上記のとおり、いまどきのラノベ風の長い長い副タイトルがついています。

チェーホフの「かもめ」といえば、古典中の古典。古今東西の劇団が散々上演しているので、私も過去二回別の劇団で見ています。でも、その二回とも寝ちゃったということをここで白状します。ごめん。って、いまさら謝ってもね。

今回が三度目の正直のアロッタ版「かもめ」
登場人物、わずか6人。結構、いじっちゃっている。けど、不思議と違和感ない「かもめ」
チェーホフフリークの誹りを恐れずに言うならば、今回が一番感動しました。
寝なかったし。って、そこじゃないのよ!

いろいろ語りたいことはあるんだけれど、まだ公演中なのでネタバレになるので、一つだけ言うと、ニーナ役の宇野愛海ちゃんがとても良い。(私が見たのはAキャスト)

かつて私の観たニーナは、向上心の強い女優志望の若い女で、自分の野心のために小説家として大成功しているトリゴーリンに取り入り、奪略愛、妊娠出産、その子どもを亡くして、女優としても成功できず、落ちぶれて故郷に帰ってくる…という、わかりやすい悲劇の人なんだけど、ぶっちゃけ自業自得? 好感もてなかったのよね~。(ってこのへんは、有名な「かもめ」だからネタバレじゃないわよねー。)

ところが、宇野ニーナはかわいいの~ラブラブ
好感もてなかったどころか、好感しかない。
天然で、ピュアで、ぜんぜん憎めない。あのニーナが相手なら、トレープレフもトリゴーリンもメロメロだよ~。おばちゃんもメロメロよ~。

そんなわけで、彼女がどうなっちゃうのか(知ってるけど・笑)心配しつつ見ていました。
もう一つの心配は、彼女が子どもを亡くした落ちぶれた女優を演じられるのかというところ。
だって、宇野愛海ちゃん、15才なんだよー!!

でも大丈夫でした。
「私はかもめ、いいえ、そうじゃない。私は女優」
「大切なのは名誉でもなければ成功でもなく、私が夢見ていたものでもなく、ただ一つ、耐え忍ぶ力なのよ」
泣きながら(というかほとんど絶え絶えに)ニーナの言葉を紡ぎ出す彼女に全俺も泣いた。後ろの席の人は号泣。
すごい女優です。15才で。
私の半分(嘘、三分の一)も人生経験ないのに。
愛海、恐ろしい子。←白目で

ほかの役者さんたちもよかった。女優3人みんなきれい。
Bキャストも観にいきたいなー。

全体的にわかりやすく、感情移入もしやすく、かもめの入門版としてもおすすめです。


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