ガレキの太鼓「吐くほどに眠る」
ひざまずいて許しを乞えば、どこから始められるだろう
会場 こまばアゴラ劇場
出演 井上三奈子(青年団), 北川裕子, 小瀧万梨子(青年団) 他
脚本・演出 舘そらみ
サイト http://garekinotaiko.com/
これ、前回ものすごく評判の高かったお芝居の再演です。
私は、初見。
1月8日のお昼に観てきました。
感想書いてるうちにすごくネタバレしたので、これから観る予定の人はここから先引き返してください。
舞台の上には、大勢の女優が待機していて、ひとりの人物を、次から次に別の女優が演じるという演出。
登場人物が少ないのと、その女優さんたちが上手だからと、またそのあたり脚本がわかりやすくしているから、混乱することはないのですが、やはり顔かたちや声が変わるとキャラまで変わって見えてしまう。
お母さんなんか、何回再婚したの?と(冗談ですが)思うくらい場面ごとにイメージ変わりました。
なおちゃんという女性が主人公で、ネタバレですが小学校6年生の時にあることで精神的な傷を負ってしまいます。その彼女の半生が、子どものころから現在まで語られるのです。
いろんな女優がなおちゃんを演じるのですが、顔が違う、声が違う~と昔の山口百恵の歌をリフレイン。
あんあんあ いみーてーしょんごーおおおー♪
ごーめんねー、さっきの人とまた比べている♪
そんなわけでキャラの一貫性を持てず、感情移入できず、その上私は(認めたくないが)メンヘルやPTSDに対してかなり理解の無い女。まったく、共感ができない。
なおちゃんが眩しいくらいに青春しているのを見てこそばゆくなり、親友のえみちゃんからの結婚式のスピーチにグッと来て(唯一泣けたシーン)、「あんなに良い青春時代をおくって、そして幸せな結婚もできたのに、そんなトラウマで一生棒に振りやがって!(他人の一生も!)」と説教垂れたくなったのでした。
厳しいかな?
でもさー(ネタバレだけど)、そのトラウマの原因になったお兄ちゃんは、別に死んでもいないし、外国で元気に暮らしているんだよ。よく語られてないけど。
子どもだから、傷ついたんだろうけれど、でもさー、人ってもっと強くなくっちゃ、そんなことでパニック起こして、人殺しちゃってどうすんの!と思うの。あ、ものすごくネタバレ。
そのラストに、パニックのとばっちりで殺された人が一番かわいそうに思えたのだ。
あ、でもね、芝居としては面白かったですよ。ほんと。
さすが伝説の一作。完成度も高いです。
この脚本家さんの別の芝居も観たいです。
メンヘル系じゃないヤツで。
追記
この感想書いた後に、顔が違うと別物として見るってのは、私が歌舞伎を見続けているからかもと思った。
歌舞伎って全く同じ配役でも「役者を見る」じゃない。
「玉三郎のお染」とか「福助のお染」とか、全く別人じゃん。
だから、同じ役でも別の女優が演じると、別物として見ちゃうのかも。
ちがうかな。うーむ。