会場 あうるすぽっと
出演 小山力也、可知靖之、香野百合子、田中美央、斉藤淳 ほか
脚本 マルク・ロゾーフスキイ(脚色)
演出 眞鍋卓嗣
サイト http://www.manabeck.com/aruuma/
俊足で出自もよい名馬・ホルストメール。しかし彼はまだら模様であるがゆえに仲間たちからも人間からも虐げられていた。彼はいつしか嘶くことを放棄し、人間観察を始める。馬の目線から人間という生き物の本性をリアルに描き、「生きることとは何か…」という人類普遍のテーマを扱った国際的にも大反響を呼んだ作品。
主演は海外ドラマ『24』の吹替え(主人公ジャック・バウアー)等で活躍する小山力也が務めます。
2011年11月20日昼、観劇。
人間は「自分がこの世で何をなしえたか」ということよりも、「自分が何をどれだけ持っているか」で、幸せの度合いを計っている。
「私の」という所有格の代名詞を、より多くの名詞に対してつけることのできる人物がより幸福だと、人間は考える。(トルストイ『ホルストメール』より)
いやーいやいやいやー!感動しました。
トルストイの「ホルストメール」初めて見たので、芝居としての出来の良し悪し以前に、もともとのテーマに深く感動させられました。あ、もちろん、芝居も素晴らしかったです。だからテーマがちゃんと伝わってきたんでしょう。
でも、これは本で読んでもよいな。
立派だった公爵の最後は、死んだ馬ほども役に立たないんだという皮肉。
歳を取るなら、堂々とした老年になりたいね。
今の歳だから、そして今までの生活があったから、感じたものもいっぱいあった。
しかも主役が馬だもん。
馬好きだもん。
動物には弱いんだもん。
ドライアイ気味の私が、泣きました。動物にだけは弱いのだ。
年取ったホルストメールには、モグも重なっちゃったし。
オープニング、役者たちがマイムで人間から馬になっていく様は幻想的でした。
小山力也さんのいななきは馬にしか聞こえず、いつしかホルストメールにしか見えなくなりました。
いいお芝居だと思う。
この後、ソワレはしごで、いそいでキンケロシアターに行かないといけなかったから、アフタートークが聞けなかったのが残念でした。