「パルシステムの資料請求したら、ホットケーキミックスがもらえる」
と、楽天かどこかからのメールに書いてありました。
それが「都内在住の女性に限る」という点で、ものすごく危ないにおい(笑)
とはいえ、パルシステムに興味はあったので(宅配サービスの中では評判いい)、
資料見るくらい見るよと、軽い気持ちで申し込みしましたら、その15分後くらいに電話がかかってきた。
感じの良い女性の声で「お届けにあがりますので、都合のよい日時を」・・・・・・ときたもんだ。
あ、郵送じゃないんですね。
まあ、そうか、宅配システムだもんね。
郵便局やヤマトさん使わなくっても、自分たちで配達してるのか。
と、指定したのが今日の11時のこと。
雨の中やってきたのは、電話の女性ではなく(当前だな)、作り笑顔が微妙にアヤシイおじさんでした。
名刺を出したと思ったら、副センター長という別人女性名の横に汚い字で川○○○(さすがにふせてあげる)と書いてある。
「名刺きらしているんで」
ホントかな~。差し出してきた爪の間が真っ黒なのも、ちょっと不快。
その指でホットケーキミックスを取り出し、国産小麦だとか小袋4つに分けて包装されているとか、見りゃわかるよ的なことをいろいろ説明するのを一通り聞いて、
「ありがとうございますそれじゃあ」
と、カタログだけ受け取って引っ込もうとしたら、当たり前だけれど、離してくれない。
カタログを開いて、肉は加工場から直送だからおいしいとか、野菜も魚も国産で安心だとか、デパートの特別な展示で置いているようなモノ(と、開いたページには山梨の信玄餅)が宅配で食べられるとか、とりあえず読めばわかるし知ってる的なことも長々と説明してくれる。
「わかりました。見ておいて、気に入ったのがあったらご連絡します」
家に入ろうとすると、
「いえ、ちょっと待ってください」
とにかく、一品からでもお届けするので、今、何か頼んでくれとのこと。
「はい?だって私、今、カタログもらったばかりですよ」
契約するとかしないとか、落ち着いて考えさせてくれと言うと、
「今、申し込んでくれたら色々特典があるんですよ。例えば、5週間宅配手数料が無料になるんです」
「宅配手数料ってかかるんですね」
知ってたけれど、そんな説明もせずに契約しろといっていたオヤジにチクリと嫌み。
でも、オヤジはそんなの気付かない。
「187円(と言ったか?)かかるんですが、それが無料になります」
「それくらいなら、別にいいです。欲しいのがあるかどうかもわからないし」
「あと、口座で引き落としになるんですが、それが・・・もにょもにょ(何を説明しているかよくわからない)」
「すみませんが、資料はちゃんと見ます。どっちにしても、今日、契約するということはあり得ません」
「いや、それじゃ困るんですよ」
今度は泣き落としか?!
と思ったら、ちがった。逆に声色強く出てきた。
「いやね、なんで私がこんなにしつこく言うかというと、こうして会って、今日申し込んでくれたら、色々特典があって」
その特典つーのは、さっき聞いた宅配手数料と口座の引き落としがどうこうって奴だろ?
よくわからないし、いらないし。
自分で「しつこい」とか言ってるし。
だんだん、ウザくなってきた。
よく考えたら、たかだか200円そこらのホットケーキミックスで、ここまでしつこくつなぎとめられないといけないのだ。
「じゃあいいです」
ホットケーキミックスを返して、言った。
「検討してもいいかと思ったけれど、今ここで契約をというのなら、今回は無かったことにしてください」
オヤジは一瞬、いやーな顔をした。
その顔を見た瞬間、
「ああ、私がもしパルシステム頼んだら、このオヤジが運んでくるのかもしれない。それだけは嫌だな」
と、思った。
「じゃあいいですよ」
オヤジはいったん受け取ったホットケーキミックスと分厚いカタログを再びドンと私に押し付けて、たいした挨拶もせず帰って行った。
こういう人が、企業イメージを損ねていくんだなあ。
私は営業教育をしていた頃、新人には
「営業は、どんなにいいものを扱っていても、その営業マンが嫌われたら終わり」
「断られた時の対応が大切。断られても、話を聞いてくれてありがとうと感謝して頭を下げよう」
と教えていた。
そのオヤジにも説教したくなった。
まずは、爪の間をよく洗え!