翌日が昼の部。

御園座の食事処がお高い(チケット代だけじゃないよ)と知った私は、お弁当を買っていくことにしました。

見つけたのがこちら。御園座の裏手にあります。


ちゃたらーのお昼休み

http://www.azumazushi-honten.com/

創業明治2年。

大正2年には、あの坂田三吉が宿敵関根八段との対局をこの東鮓本店二階座敷にて行った(包紙に記載されていた)という、由緒正しき老舗です。そのわりにお値段お手ごろ。

ちゃたらーのお昼休み
演目にちなんで「助六」頼みました。890円。安い!

安いのに、巻物には穴子が入っていました。

(写真はちゃんと許可をもらって写しました)

幕間の食事も予約受付していましたよ。中で食べるよりいいと思う。

御園座にお越しの際は、ぜひご利用ください。


さて、昼の部です。

一、南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)
                犬塚信乃  種太郎改め歌 昇
                犬山道節       海老蔵
               犬田小文吾       廣太郎
                犬塚毛野       米 吉
                犬村大角       吉之助
               犬江親兵衛       種之助
                犬川荘助       松 江
                犬飼現八       染五郎


二、一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)
  檜垣
  奥殿
              一條大蔵長成       吉右衛門
             鬼次郎女房お京       芝 雀
               吉岡鬼次郎       染五郎
               八剣勘解由       由次郎
             勘解由女房鳴瀬       家 橘
                常盤御前       魁 春



三、三代目中村又五郎・四代目中村歌昇 襲名披露口上(こうじょう) 
 

                      歌 昇改め又五郎
                      種太郎改め歌 昇
                           幹部俳優出演


四、寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
                曽我五郎  歌 昇改め又五郎
                曽我十郎       梅 玉
               小林朝比奈       三津五郎
                大磯の虎       福 助
               近江小藤太       錦之助
                八幡三郎  種太郎改め歌 昇
              梶原平三景時       桂 三
              梶原平次景高       市 蔵
               化粧坂少将       右之助
              鬼王新左衛門       歌 六
                工藤祐経       團十郎



「南総里見八犬伝」

始まって15分ほど犬塚信乃の大立ち回り。

全部で30分の演目なので、その半分が犬塚信乃、種太郎改め新歌昇の見せ場です。

正直、厳しいなと思いました。

種太郎時代に何度か観ていますが、その時は「良い感じの若手」だと好感を持って期待していました。でも、それはせいぜい義経の四天王とかの中で、良い感じという程度だったんですよね。

まん中に立ったら、とたんに小さく見えました。あ、御園座が大きいからか?!←たぶん、ちがう。


染五郎や海老蔵と比べるのはかわいそうだけれど、小さいころから御曹司として舞台の中心に立たしてもらってきた役者との違いを感じました。仕方ないよね。
でも、精進すれば、華は無くても(失敬)良い役者になると思う。それこそ伯父さんの歌六さんのように、主役じゃないけれど、重みのある、味のある、役者に。がんばれ新歌昇!!



「一條大蔵譚」

吉右衛門さんの阿呆っぷりが最高ラブラブかわいいのだ~ラブラブ

椅子から転げ落ちそうになるところとか、口開けてポカーンとしているところとか。

御見物も大喜び。

その後、凛々しい姿にもどった後も、フッと阿呆になったりして、楽しませてくれます。

芝雀さんのお京、家橘さんの鳴瀬、魁春さんの常盤御前と三人三様の女形が素敵でした。カッコよかったです。

染五郎さんの影が薄くなるくらい。

しかしまあ、とにかく吉右衛門さんの阿呆っぷりですね。うん。



「口上」

海老蔵が開口一番「お久しぶりでございます」と名古屋の皆さんにご挨拶して、客席大喜び。

持っていくなぁと思った。

内容は先月の新橋演舞場とほぼ同じ。みんなとても真面目な口上でしたが、中で、左團次さんがひとり笑いを取っていました。

「左團次さん、あなたの口上は面白いねえ、期待しているよと言われて色々考えましたが、なにしろ又五郎さんが真面目な方で」笑えるネタがありませんと言いつつ、子役時代に名子役だったことに触れ「名子役、大人になったらタダの人!」と、一瞬会場をビックリさせ「なんてことはなく、素晴らしい役者の」と持ち上げる。なかなかしゃべりが上手いです。さすがです。そんな左團次さんは、11月12日生まれ。私と誕生日が同じ!!



「寿曽我対面」

梅玉さんの曽我十郎が素敵でした。このお芝居では、十郎の右手が大好きなんです。やんちゃな五郎を止めるあの指の反りがね~。

品のある梅玉さんに十郎はピッタリです。似合いです。それこそ小袖にして着るがいい。茶づけにしてあがるがいいなのです。そういえば、夜の白酒売りも実は曽我十郎なんですよね。

梅玉さんは、昼も夜も曽我十郎を演じているのです。ずいぶん違いますが。


又五郎さんの曽我五郎は、いかにもきかんぼうの弟という感じで、良かったです。丸くて小さいから、五月の節句のお人形のように見えました。足は多少気になりましたが、長吉の時ほどは目立ちませんでした。

それ以上に、ここでも團十郎さんの声が枯れていてハラハラしました。

お二人とも、心の底からお大事に。


福助丈の大磯の虎がとてもきれいに見えました。黙って座っているときれいなんですよね。って、失礼すぎですか、すみません。


昼の部の最後が、この華々しい幕切れで、晴れ晴れとした気持ちで観劇を終えられました。

観に行ってよかったです。



幕間に食べた「鬼まんじゅう」

おいしかったよ!!


ちゃたらーのお昼休み


私が食べたのはこの糖度40のヤツ、確かに甘かった。

ちゃたらーのお昼休み

12番扉の前あたりに売店があります。

奥だからあんまり知られていないかも。

同じ300円ならアイスよりこっちが良いな。私はね。