一、吹雪峠(ふぶきとうげ)
直吉 染五郎
助蔵 愛之助
おえん 孝太郎
二、夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)
住吉鳥居前
難波三婦内
長町裏
団七九郎兵衛 吉右衛門
女房お梶 芝 雀
お辰 福 助
玉島磯之丞 錦之助
傾城琴浦 孝太郎
伜市松 金太郎
堤藤内 桂 三
大鳥佐賀右衛門 由次郎
釣船三婦 歌 六
三河屋義平次 段四郎
一寸徳兵衛 仁左衛門
三、色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)
かさね
かさね 時 蔵
与右衛門 染五郎
見てきました。
いつものくまにゃちゃんと一緒です。
吹雪峠、暗い話のはずなのに、客席オオウケでした。
あらすじを転載。短いからね。
「荒れ狂う吹雪の中、必死の思いで山小屋に辿り着いた助蔵とおえん。おえんは、助蔵の兄貴分である直吉の女房でしたが、助蔵と密通を重ね、駆け落ちをしていました。偶然にもここへ直吉が現われます。二人を許した直吉も、仲睦まじさを目の当たりにして耐えられなくなり、殺気立った形相で二人に出て行って欲しいと言います。外は猛吹雪。固く結ばれていた二人が、死の恐怖から互いを罵り自我を剥き出しにして命乞いを始め・・・・・・心に潜む愛欲と憎悪など人間の本能を鮮やかに描き出した新歌舞伎をご覧下さい」
まさにこのまんまのお話なんだけれど、この「本能むき出しの罵倒合戦」に、客席は大笑い。
たしかにコントっぽかったよ。
本来の趣旨と違ったんだろうけれど、まあみんな楽しんでいるからいいか(笑)
初日から一週間も経つのに孝太郎にプロンプがついていたのが気になった。まだ若いんだから台詞はなんとか覚えて欲しいなあ。
今回、昼も夜も大活躍だけど、だからこそプロンプとかなしでピシッと演ってほしかった。
応援しているだけに残念。
夏祭浪花鑑、 仁左衛門さんの一寸徳兵衛がとっても楽しみでした。
かっこよかったよー。出番ちょっとしかなかったけど。
喧嘩の場面とか、大御所二人でやってくれてると舞台が華やか。
どうでもいい話ですが、芝雀さんは「喧嘩を止めに入る女」させたら日本一だと私は思っています(笑)
山三と伴左衛門の喧嘩とかね、「退いた、退いたあ」の場面で、まん中にいるのがよく似合う女形だと勝手に思っています、芝雀さん。
女形の話ついでに、福助と孝太郎、このふたり役が逆だったらよかったのに。
孝太郎は琴浦って感じじゃないし、福助のお辰さんも、なんだかな。お辰は、気っぷの良い男勝りの姉御なんだけれど、今回見た福助お辰は何やらウジャラウジャラとうざったい。
だいたい、お辰の台詞で笑いが起きるってのは、どういうこと?
孝太郎は、彦山権現のお園が良かったから、お辰も合うんじゃないかなあ。
良かったというと、今回は、釣船三婦の歌六さん。今回はと言うより、今回も?
なんか、毎回「歌六さん良かった」と言ってる気がします私。
釣船三婦って役がまた良い役なんですよ。仁左衛門さんにもやってもらいたい。老け役だけど。
老け役と言えば三河屋義平次、段四郎さん、今回も思いっきりプロンプ付き。毎度台詞が入って無い気がするのですが、大丈夫ですかね。
あーとかうーとか震えながらしゃべっていらして、対する吉右衛門さんもちょっと覚束ないから、ただでさえ長い親殺しの場面がすごく長く感じました。見せ場なんだけれどね、ごめん。
玉島磯之丞の錦之助さん、白塗りが似合っていました。
最後、かさねですが、時蔵さんと染五郎がきれいでした。
時蔵さん、蛇女っぽいのやらせたら日本一の女形だと・・・・・・げふん(笑)