ちゃたらーのお昼休み

一、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)
  発端 戸田川原お清殺しの場より
  大詰 立花屋大屋根捕物の場まで

             佐野次郎左衛門  吉右衛門
                 八ツ橋  福 助
              立花屋おきつ  魁 春
                  九重  芝 雀
                下男治六  歌 昇
                盲の文次  錦之助
                  七越  高麗蔵
                腹太弥七  松 江
               禿山の松蔵  種太郎
             初菊/娘お千代  壱太郎
              赤目の卯左吉  種之助
               土竜の石松  米 吉
                  お清  歌 江
               絹商人丈助  桂 三
              絹商人丹兵衛  由次郎
                釣鐘権八  彌十郎
                都築武助  歌 六
              佐野次郎兵衛  段四郎
              立花屋長兵衛  東 蔵
           高松安之進妻おとし  秀太郎
               繁山栄之丞  梅 玉
               立花屋お駒  芝 翫


二、あやめ浴衣(あやめゆかた)
                 若い女  芝 雀
                 若い男  錦之助
                 若い男  歌 昇



昨日、くまにゃちゃんと見てきました。

「籠釣瓶」を通しで見たのは初めてです。すごく話が分かりやすかった。

いつも見る立花屋の場面だけだと、次郎左衛門は調子の良い浮かれ男で(花魁を売りもの買いものとか言ってニヤケてる場面も好きになれん)、最終的には振られて恥かかされた恨みの人殺しって話で、小モノ感溢れちゃってた(個人的感想)のですが、前の段があると中々立派な男で「佐野のお大臣」というのもただの太鼓持ちのヨイショじゃないというのが分かりました。

顔の醜いあばたも、実は父親の悪行の報いだったというのも語られていて、次郎左衛門の悲劇性が増します。

やっぱり、通しは良いですね。


そして、今回、特筆すべきは「福助の八ツ橋が素晴らしかった」ということです。

まあ、同じアメブロでも私のブログを彼が見ることはないだろうし、彼のファンが見たとしてもワザワザご注進することはないだろうから、正直につらつら書きますと、ワタクシかつて福助ファンでした。

たぶん、このブログでも最初のころは熱く語っていたと思います。

しかしながら彼がアメブロを始めて、うっかり読者になってしまって、日々幻滅する日が続いて・・・・・・

このところ歌舞伎を見ていてもブログが思い出されて、全然素敵に見えなくなりました。

「こんな神妙な顔してるけど、楽屋じゃブログ更新しまくってるんだろうな」とか思って。

だからもう「福助なら見なくてもいいや」くらいの気持ちになって、このところ演舞場に行く回数が減っていました。

まちがいなく、福助が私に「歌舞伎離れ」を起こさせていたと言って過言ではありません。


しかし、しかししかし!

今回の福助は、良かったです。

特に、最後の斬られて死ぬ場面は圧巻でした。

さよなら歌舞伎座で見た玉三郎より良かった。←あくまで私の主観。


「えー、こんな芝居もできるんじゃん」と密かに感動した私に、くまにゃがポツリと言いました。

「福助も、背水の陣なのかもね」


本当に(笑)

歌右衛門襲名までに、みんなを納得させるだけの芸を見につけてほしいです。

そして、歌右衛門になったらあのブログはやめてほしいものです。



その他感想。

芝翫さんがビックリするほど弱っていました。

声が小さくてよく聞こえない上に、セリフ自体おぼつかなく・・・・・・

次郎左衛門に「お名前を」とたずねられたときに、「立花屋のお駒」というのが出て来なくって、プロンプターが教えているんだけれど、それもよく聞こえないらしく(汗)何度も言うプロンプの声が、芝翫さんよりずっと大きな声で響き渡ってました。

「年とると固有名詞がで出来ないんだよ」と、くまにゃちゃん談です。

吉右衛門さんも長い台詞になると「あー」「あー」と怪しかったんですが、気になるほどじゃなかったです。


お千代の壱太郎が可愛かったです。初菊はもう少し精進。

歌六さん、カッコよかったです。歌昇さん、人の良さが出てました。

九重役の芝雀さん、優しい感じが素敵でした。

魁春さんの九重(八ツ橋玉さま)を見た時は「先輩花魁が後輩を諭す」イメージでしたが、芝雀さんだと「同僚が心配して」って感じを受けました。


お清殺しの場も良かったです。

歌江さんが(チラシには書いてなくって)わからなくて、くまにゃはそれを知るために(ちがうか?・笑)筋書きを購入し、「あっ写真がまだ無いのに買っちゃった」とプチ後悔していました。


大詰の捕物の場は、思いっきり見逃すところでした。

いつものつもりで「籠釣瓶は切れるなあ」で終わったと思い、幕が引かれたところで「トイレ行くか」と二人して立ち上がり歩きだしたものの、他に誰も立つ気配が無く、極めつけは電気もつかない(笑)

で、いそいそと戻ったら、丸窓を破って吉右衛門が登場しました。良かった見逃さないで。

最後に栄之丞との立ち回りがあるというのは、いいですね。

梅玉さん、素敵でした。品があるー。ヒモ浪人みたいな役でも品があるー。八ツ橋が惚れるのも、言われるままにヒドイことしちゃうのも、仕方ないねーvv


ペタしてね



あやめ浴衣、背景と衣装がきれいでした。足袋の色がピンクと水色というのが、眩しかったです。

同じ振り付けでも三人三様に見えたのは、そういう踊りなのか、息が合ってないのか(笑)

日本舞踊詳しくないから、わかりません。