つづき


夜の部は16時15分からだったが、16時30分と勘違いしていて、昼の部を見てトンボ返りするちょびわん(京都滞在時間が上演時間)を送って橋をふらふら散歩したりしていたら、入り口に足を踏み入れたところで「外郎売」のきの音が鳴っていた。三階まで駆け上がったよー。意外に近くて「やはり南座は小さい」とここでも体感。


「外郎売」話題の愛之助。

舞台の上手には「歌舞伎十八番の内 外郎売」、下手に「六代目片岡愛之助 相勤めます」と大きく書かれていて「へー愛之助って六代目なんだ」目玉三郎が「五代目玉三郎」と聞いたときのような軽い驚き。どっちも先代知らないからね。

口上では、客席の拍手があたたかかった。

ニラミはさすがにあの御曹司にはかなわなかったけど(個人的感想)、早口の言いたては立派だった。そのしゃべっている間、なんだか客席みんなが固唾を飲んで見守っている感じで(それはほんとは変なんだけれど・笑)、ホント、らぶりん愛されてるなあ。

春猿、笑三郎のきれいどころが愛之助の五郎を囲む図は本当に絵のようで、他の人物も含めて豪華で華やかで、あっという間に終わるのがもったいなかったよ。


「七段目」見てよかった~ラブラブニザタマてんこ盛りアップアップアップ

お軽と兄平右衛門の場面、ふたりでじゃらじゃらしちゃって、見ていて口元がゆるんでしまった。ふにゃふにゃむふ

玉三郎が、ここでも最高に綺麗で可愛い。昔、もう20年以上前に歌舞伎座で仮名手本忠臣蔵を通しで見たとき、玉三郎がお軽をやっていた。あの時よりも若い気がする。恐るべし玉三郎。

仁左衛門様の平右衛門もカッコいいのだ。優しそうなのだ。忠臣者で可愛い、ねいねいねい音譜なのだ。



「河庄」やられました。一服盛られたかのように、あっさり眠ってしまったのはいいのだけれど、残り30分ばかりで目覚めてしまったビックリマークああ、いっそ幕引きまで寝させてくれていればよかったのに沈

私は、はっきり言ってこの演目嫌いなのである。ダメなのだ。ちょびわんが「寺子屋」「沼津」を、あさりんが「俊寛」を好きになれないように、私は「河庄」がダメ。紙屋治兵衛にイラッとするのだ。(上方デフォだと分かっていても)

案の定、寝起きの私の目の前で、治兵衛がグズクズするたびに胸がむかむかしてきた。席を立ちたいのだが、芝居中なので憚られる。両隣はガタイの良い男性で、南座の座席の狭さが急に気になってきて落ち着かず、だんだん脂汗まで出てきた。

本当に苦しかった。歌舞伎で、こんなに苦しい思いをしたのは初めてだ。多分この先、私が「河庄」を見ることはないと思う。


「鳥辺山」気持ち悪かったので、外の椅子で休んでいようかと思ったけど、梅玉さんを見たくて我慢して席に戻った。梅玉さんと芝雀さん、寺子屋の夫婦と同じ組み合わせ、でもこちらはとっても若々しい。

「濁りに沈めど濁りに染まぬ、清きおとめと恋をして」の名台詞もよかった。


「越後獅子」

さっきも書いたけど、意外に良かった「ビックみなみちゃん」←ちがう(笑)

角兵衛獅子が大きな布を新体操のリボンのようにくるくる回したり波打たせたりするのがね、よかったの。

翫雀も上手かったけれど、左隣(上手からふたり目)の人も上手かった。

最後まで頑張ってみてよかった。


河庄さえなければ、もっと良かった。ごめん。藤十郎さんは悪くないの。悪いのは紙屋治兵衛。


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