旅市ガイドWさんは、佐原の町マップを広げて見せてくれました。
「こんな風に歩こうと思います」
いや、広すぎるから。
ピンクのマーカーを全部歩くのかとビビったら、実際歩くのは地図右下の8の字になっているあたりとのこと。
じゃあなんで駅の方まで色ぬっているんだろう?とは思いましたが、川をワザワザ水色でぬっているのもかわいかったので、私を待つ間に一生懸命ぬってくれたんだろうなあと、ありがたくいただきました。
しかし、このWさんの案内、結構突っ込みどころが満載。
こちらが質問しても、知らないことは聞き流すのです(笑)
また、耳が遠いのか聞き違いも多い。
お箸を売っている店が多かったので、「ここってお箸は名産なんですか?」とたずねたら、
「え?え?お菓子、お菓子はね、そうね」
「いえ、お菓子じゃなくて、お箸」
「ああ、箸・・・ちょっと待ってね、今から説明するからね」
そう言って、説明し始めたのは、古い土蔵が江戸時代のものという話。
その説明を聞き終わったときには、箸のことは無かったことになっていました。
そして、山車会館に行った時、Wさんはこれを指して何かモゴモゴと口ごもりました。
「これはね、あの、あれ・・・アマテラスのね・・・」
「ああ、はい」
ちゃんと書いてあります(左下)。「あめのうずめのみこと」とふり仮名もふってます。
「あ、書いてあるからね。読んでね」
「はい」
そして「写真撮ってあげようか」というので、山車を背景に撮ってもらいましたが、全部ピンボケ(爆)
「うちのと違うから、わからないね」
いや、自分から撮ってあげようかっていったんじゃーん
山車の写真が並ぶ中、大きな鷲を乗せた山車があったのですが、それを指さして
「これは最も古い山車でね、この鷲は、藁で作られてるの」
「はい」
「ストロー・・・」
あら、おじいちゃん英語で言いなおしたわと驚いたら、
「ストローにして、飲んだでしょカルピス」
いや、飲んでないから。
私の時代、ストローはすでにプラだから!
おじいちゃんは手でストローを飲むしぐさまでしてくれて、かわいいったらありません。
道を歩いている途中で、突然、
「こっちは暑いから、日陰を歩きましょう」
と横断歩道でもないところでいきなり隙を突いて反対側に移動。
私は置いてきぼりをくらい、目の前を車が交差するのを見ていると、おじいちゃんが道路に半分身体を乗り出して、「セーフ」の格好で左右から来るタクシーと一般乗用車を止めてしまうじゃありませんか。
恐るべし、旅市ガイド。
佐原の生んだ伊能忠敬記念館に行ったときには、「お手を触れないでください」と書かれたものにもガンガン触って解説してくれました。
「天地明察」の世界。渋川春海の名前もありました。
そんなこんなで、2時間ばかり一緒に歩きました。
パンフレットでは3時間の予定でしたが、ふたりとも暑さに負けて切りあげました。
ボランティアと一緒ということで、ひとりだと到底入れないような個人宅にも入れてもらい、色々面白いものも見られました。
Wさん、ありがとう。
暑いのに、奮闘してくれて本当にありがとう
成田編につづく