- あの日にかえりたい/乾 ルカ
- ¥1,575
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北海道を舞台に、時を超え「あの日」へ帰る人びとの、小さな奇跡と希望を描く、感動の傑作短編集!
施設で会った80歳の老人は、介護士の卵でボランティアにきた「わたし」だけには心を開いてくれた。彼の嘘のような失敗続きの半生記にただ聞き入る日々。あるとき老人が呟いたひとこと「あの日にかえりたい」の真意とは……!?
戦慄と感動の表題作ほか、いじめられっ子の家出少年と動物園の飼育員のひと夏の交流「真夜中の動物園」、地震に遭った少年が翌日体験した夢のような一日「翔る少年」、高校時代の仲間と15年ぶりの思わぬ再会を描く「へび玉」。落ち目のプロスキーヤーが人生最期の瞬間に見た幻「did not finish」、ハクモクレンの花の下で出会った老女の謎「夜、あるく」。北海道を舞台に、時の残酷さと優しさ、そして、時空を超えた小さな奇跡と一滴の希望を描く、感動の6篇です。
ユーミンの曲にもありますよね。
泣きながらちぎった写真を手のひらにつなげて見るの・・・というやつ。
写真を馬券に置き換えて歌ったものです。←バカ
人は、何かしら「あの日」の思い出を持っています。
でも「あの日」に帰ったところで、結局は何も変わらないんじゃないかというのが、私の素直な気持ちです。
理由はありませんが、人生観として。
けれども、この小説の人々は「あの日」に帰ることで、人生を変えています。
自分の人生だったり、他人の人生だったり。
結果、変わらなくても、幸せになっていたり?
帰りたい「あの日」を持っていて、奇跡を信じる人には良い本だと思います。
私は「真夜中の動物園」と「did not finish」が好きですね。